金融機関に言ってはいけない! 「NGワード」

第8回(脱・老後破産予備軍― 50代のうちに必ずすべき“お金まわり”3つのこと)で、資産寿命を延ばすためにも、お金を「使う」「貯める」「守る」「増やす」の4つに分けてそれぞれで管理しましょうとお伝えしました。金融商品は適材適所、目的に合わせて使い分ける必要があるからです。

特に時間を味方につけた、コツコツ積み立てで「増やすお金」については、経済の成長力の恩恵を受けながら投資信託で運用していきます。とはいえ、投資信託も6000本程度ありますので、どんなものを選んでよいか迷ってしまうのも無理はないでしょう。この時、銀行の窓口などで「何か良いものありますか?」と聞くのは禁句です。なぜならば良いものとは、みなさんにとって「良いもの」ではなく、売り手にとっての「良いもの」であることが多いからです。

でも、これだから金融機関は信用できない!! と思うのは早計です。金融機関は商品を販売するのが仕事ですから、それを踏まえて付き合うことが重要です。

では、みなさんにとって「良いもの」とはどういうものでしょうか? それは、「どのような目的」でそのお金を「いつまでに用意したい」か、また市場の動きで価値が変動する商品であれば、みなさんの資産全体において「その商品はどのくらいを占めるのか」なども考える必要があります。つまりは、ご自身で運用の方針を決め、商品を選択する目を養うことが必須なのです。

とはいえ、運用商品を選ぶポイントは知りたいですよね。まず、6000本の選択肢から選ぶのではなくて、「つみたてNISA」で選ばれている投資信託から選びましょう。なぜならば、つみたてNISAは長期での運用に適した低コスト商品をあらかじめ金融庁がセレクトしていますから、いわばみなさんの目的に合った運用商品だからです。

仮につみたてNISAを使わずに、課税口座で投資信託を購入する際も「つみたてNISAに選ばれている投資信託は扱っていますか?」と金融機関に聞きましょう。同様に一般NISAを利用する際も「つみたてNISAに選ばれている投資信託を買いたい」と言いましょう。

課税口座や一般NISAで「つみたてNISA」の投資信託を購入する際は、購入時の手数料がかからないノーロードファンドを選びます。購入の度に3%ほど払うのは、投資に慣れ、ご自身でいろいろ選べるようになってからです。最初は徹底的にコストを意識しましょう。

すると必然的にインデックスファンドになると思います。インデックスファンドとは、その投資先の指数に連動するような運用を目指す投資信託です。例えば日本の株式会社で運用するものであれば、その指数はTOPIXか日経225となります。つまり日本に上場している株式会社の平均的な株価の動きに連動するわけですから、言い換えれば日本の経済そのものに投資をするようなイメージです。