各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、SBI証券のデータをもとに解説。
SBI証券の投信売れ筋(販売金額)ランキングの2025年12月最終週(12月29日~30日)のトップ2は前月と同様に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。この2銘柄は2025年2月以来11カ月連続でトップと第2位を維持している。第3位は前月第6位だった「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」が上がり、また、前月第9位だった「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」(愛称:メガ10)が第6位に上がった。そして、第7位以下は前月はトップ10圏外だったファンドがランクインしている。「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」、「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス」、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」、「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」の4ファンドは、2026年を見据えて新たに購入されたファンドと考えられ、これらの中から次の人気ファンドが育つものか注目される。
AI関連主導で高成長が続く「オルカン」と「S&P500」
SBI証券の売れ筋ランキングでトップを走り続ける「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、三菱UFJアセットマネジメントが設定する代表的なインデックスファンドだが、この2ファンドが突出する人気を獲得したのは、2024年1月にスタートした新NISAからといえる。投資信託の中で「業界最低水準の運用コスト(信託報酬率)をめざす」とする「eMAXIS Slim」シリーズは、大手運用会社がそろえるインデックスファンドシリーズの中で繰り広げられた運用コスト引き下げ競争の中で、全方位で業界最低水準を実現するという姿勢が明確だったために、新NISAスタート前にも頭一つ抜きんでる存在だった。それが、新NISAスタートの2024年1月に、資金流入額が「オルカン」約3400億円、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」約2100億円と、従来の数百億円という水準から急増したことで、その人気を確固たるものにした。
この「オルカン」と「S&P500」インデックスファンドの人気は、2025年も継続した。2025年の年間の騰落率は、「オルカン」のベンチマークになっている「MSCI-ACWI(円ベース)」が22.55%(米ドルベースでは22.87%)で2024年の31.56%(18.02%)に続いて2ケタの高い成長となった。「S&P500」は指数の騰落率で16.39%と前年の23.31%に続いて2ケタ上昇率となった。結果的に、全世界株価指数も「S&P500」指数も3年連続の2ケタ上昇率を記録しており、この3年間は「オルカン」か「S&P500」を「買って保有し続けていれば間違いない」ということを証明するような3年間だった。
そして、この3年連続の高い上昇率をけん引してきたのが、米国半導体企業「エヌビディア」の株価上昇に象徴される「AI関連株相場」が継続したことだった。2022年11月30日に一般公開された「ChatGPT」の対話型AIサービスの衝撃と成長期待が2025年末まで続き、さらに、2026年にも成長が続くのではないかという期待になっている。その期待をより強く表しているのが、AI関連銘柄の構成比率が高い大和アセットマネジメントの「iFreeNEXT FANG+インデックス」だ。2025年12月時点の構成銘柄は「アップル」「アマゾン」「メタ」「グーグル(アルファベット)」「ネットフリックス」「エヌビディア」「マイクロソフト」「ブロードコム」「クラウドストライク」「パランティア・テクノロジーズ」だ。「パランティア・テクノロジーズ」は2025年12月の銘柄入れ替えで新規に採用された。同社はAIを使ってビッグデータの分析をするサービスを提供しており、AI関連銘柄としてこの数年の株価上昇がめだっている銘柄の1つで、同社の株価は2022年12月末に6ドル台だったが2025年末には188ドル台に上昇している。

