日本株インデックス、基本の3本柱は「TOPIX」「日経平均株価」「JPX日経インデックス400」

「高市相場」で日本株市場が再評価されつつある。新NISA元年の2024年は、S&P500指数や「オールカントリー(全世界株式)」に資金が集まっていたが、企業改革や政策支援の追い風を受け、「日本株も良いかもしれない」と思った方も多いのではないだろうか。

投資信託を通じて日本株に投資する上での選択肢は数多あるが、最初の1歩として取り入れるなら、まずは代表的インデックスを押さえておきたい。日本株で新NISAのつみたて投資枠に採用されている指数は、TOPIX、日経平均株価、JPX日経インデックス400の3つ。いずれも日本株市場を代表するベンチマークであり、長期・分散投資の基礎となる指標だ。構成や算出方法にはそれぞれ個性があり、「どの日本株の姿を映しているか」が異なる。まずはこの3指数の特徴を押さえ、自分に合った投資の入り口を考えてみたい。

代表的3指数の特徴と値動きの違いは…

日本株市場全体の動きを最も広く反映しているのがTOPIX(東証株価指数)である。東証プライム市場に上場するすべての銘柄を対象とし、時価総額加重平均で算出される。大型から中小型まで幅広い企業を網羅しており、「日本株市場の平均値」として機関投資家の間で広く使われている。 

一方で、ニュースなどで最も目にする機会が多いのが日経平均株価(日経225)だ。東証プライム市場の中から選ばれた225銘柄の株価を単純平均して算出するため、株価の高い(いわゆる「値がさ」)銘柄の動きが指数全体に影響しやすい。構成銘柄数は少ないものの、経済ニュースや相場の象徴として投資家心理を映しやすいのが特徴だ。

そして2014年に登場したJPX日経インデックス400(JPX日経400)は、収益性やガバナンスなどの観点から選ばれた企業で構成される。単なる時価総額ではなく、ROE(自己資本利益率)や経営の質を重視しており、「投資家にとって魅力ある企業群」を可視化した指数といえる。TOPIXや日経平均株価ほど知名度は高くないが、企業改革や資本効率の改善といった流れを捉える上で注目されてきた。

この3つの代表的な日本株インデックスは、3年、5年といった中期的なリターンで見ると成績に大きな差はない。いずれも日本株市場全体の成長をしっかり取り込んでおり、長期投資の「土台」としては共通して活用できる存在だ。とはいえ、短期的には構成や計算方法の違いから値動きに特徴が出ることもある。

例えば、日経225は構成銘柄が225と限られ、しかも値がさ株や大型株の影響を受けやすい。一方、TOPIXは中小型株を含む幅広い銘柄で構成されており、そうした銘柄が堅調な局面では優位に立つことがある。また、JPX日経400はROEやガバナンスを重視する選定ルールのため、企業改革が注目される局面で強さを発揮しやすい。各指数の構成銘柄の違いがどのような相場で優位になりやすいかということを理解しておくと、インデックス投資をより立体的に捉えられるだろう。