ETFならではの「日本株の多様な顔」

同じ「日本株インデックス」でも、ETF(上場投資信託)を含めると選択肢が一気に広がる。ETFでは、先述した3つの指数に加え、特定の投資テーマやセクター、配当戦略などを反映した指数が数多く上場している。以下に例を挙げる。

1.高配当株

安定配当を重視する投資家向け。安定配当を重視する投資家向け。ETFは投資信託と異なり、受け取った配当金を内部留保せずに分配する仕組みとなっている。直近では配当利回りが3%を超える銘柄も多いため、定期的に分配金を受け取りたい投資家や、キャッシュフロー重視の長期保有を考える人に向いている。

・NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
・上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)(1698)
​・One高配当日本株(1494)

2.セクター・テーマ

特定の業種や成長テーマにピンポイントで効率よく投資ができる。テーマ型ETFは、指数の段階で構成銘柄が明確に定義されているため、個別株を選ばなくても「どの領域に投資しているか」が分かりやすい。また、業種別ETF(TOPIX-17シリーズなど)は、日本の上場企業の中でもセクターごとに分散できるため、「景気敏感株を増やしたい」「ディフェンシブを厚めに持ちたい」といった調整にも活用できる。

・グローバルX 日本テーマ株ETF(ロボティクス&AI、クリーンテック、ゲーム&アニメなど)

・NEXT FUNDS TOPIX-17シリーズ(電機、自動車、金融など)

なお、同じインデックスでも、投資信託とETFでは使い勝手が異なる。投資信託は最小100円から投資ができるが、価格の公表は1日1回だけである。時間を味方につけて少しずつ積み立てていきたいという人には最適だ。これに対しETFは、株式と同様、市場でリアルタイムに売買ができる。株式市場の動向を見ながら自身で投資タイミングを検討したいという人に適している。ただし、売買手数料やスプレッド(価格差)の存在には留意してほしい。どちらが優れているというよりも、投資スタイルに合わせて選ぶことが大切だ。

以上見てきた通り、日本株インデックスは、構成や算出方法こそ異なるものの、いずれも日本企業の成長や市場全体の変化をしっかりと反映している。長期投資の「土台」として、まずはこうした代表的インデックスを押さえておくことが、日本株投資を理解する第一歩となるだろう。そのうえで次回は、こうしたインデックスを「上回る」成果を目指す、日本株アクティブファンドの現在地を取り上げたい。