各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、SBI証券のデータをもとに解説。
SBI証券の投信売れ筋(販売金額)ランキングの2025年11月最終週(11月25日~28日)のトップ2は前月と同様に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(ともに三菱UFJアセットマネジメント)だった。この2銘柄でトップと第2位を占めるのは2025年2月以来10カ月連続になる。第3位だった「eMAXIS NASDAQ100インデックス」(三菱UFJアセットマネジメント)はトップ10圏外に落ち、第3位には前月は第7位だった「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(SBIアセットマネジメント)が上がった。また、トップ10圏外から「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(インベスコ・アセット・マネジメント)が第5位に、新設ファンドの「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」(ニッセイアセットマネジメント)が第9位にランクインした。
米国の超大型グロース株トップ10に投資する新ファンド
SBI証券の売れ筋ランキングで前月第3位だった「eMAXIS NASDAQ100インデックス」がトップ10圏外に落ちたのは、11月4日に新規設定された「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」に人気の一部を奪われたためと考えられる。「NASDAQ100」は、米国NASDAQ上場の時価総額上位100銘柄に投資するファンドだが、その価格変動を主導しているのは超大型の銘柄群だ。その超大型銘柄トップ10に投資するのが「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」になっている。
「NASDAQ100」インデックスの上位10銘柄(2025年10月末)は「エヌビディア」、「アップル」、「マイクロソフト」、「ブロードコム」、「アマゾン・ドット・コム」、「アルファベット(A)」、「テスラ」、「アルファベット(C)」、「メタ・プラットフォームズ」、「ネットフリックス」だが、この10銘柄は「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」にほぼかぶる。「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」は3カ月に1回(3・6・9・12月)の銘柄見直しを実施し、2025年9月末時点で「アップル」、「アルファベット(C)」、「ネットフリックス」に代わって「イーライリリー」、「マスターカード」、「ビザ」が採用されている。

