2025年は日本の金融市場が大きく変わった1年であった。中でも金融のプロのあいだで注目が集まるのが、金利である。2025年12月には政策金利が0.75%に引き上げられ、長期金利は2%の大台を超えた。2026年の金利はどこへ向かっていくのか。世界と日本の金融市場へ与える影響とは。
昨年の話題書『投資は金利が9割 運用歴30年のプロが教える「儲ける技術」』にて個人投資家目線で金利をわかりやすく解説した、レオス・キャピタルワークス 債券戦略部長の福室光生氏に聞いた。

――まず、2025年の金融市場の動向は?

関税をはじめとしたトランプ政権の政策が市場に動揺を与えた。ドルの安全資産としての地位に疑問符がつき、金が高騰、ユーロや新興国通貨も上昇した。そんな中で日銀は利上げを続けたが、日本円はドルに対してすら強くなることができなかった。

株価に関しては、欧米での利下げに加えて、関税による悪影響が当初の懸念より小さかったこともあり、グローバルに大きく上昇した。預金、国債から株式へ逃避する動きもあったのではないか。この流れは当面続きそうで、地合いとして株価は下がりにくいだろう。

――金利動向はグローバルでどのように推移したか。

インフレ率が安定する中で、多くの中央銀行は中立金利へ向けて利下げを進めた。一方、長期金利の低下は限定的で、イールドカーブはスティープニングした。

※長期金利と短期金利の差が広がった状態のこと。

コロナ禍以降、インフレ率が上昇する中、企業収益はそれ以上に増加し、株式のパフォーマンスは債券を大幅に上回った。債券から株式への投資対象のスイッチが進み、長期債への需要が減退しつつあるが、それに対して当局の発行年限短期化が遅れている。通貨や国債の価値への懸念もあっただろう。