2月13日の「NISAの日」を記念して企画された「投資信託で長期投資!エッセイ・コンクール」。全国から数多くの力作が寄せられた中から優秀賞に輝いたニックネームY.Kさんの体験談をお届けする。
優秀賞:「25歳の私への感謝状 お姉さま方の背中」
ちょうど10年前、25歳の私は、貧乏生活からようやく抜け出そうとしているころだった。ハタチから5年間続けた月給15万円程度の一人暮らしに嫌気がさし、上京して別業種に転職し、収入が安定してきた。そんなある日の仕事帰り。コンビニで手に取った女性向けの雑誌の表紙にはお金がふえる人のルールといったような大きな見出しが載っていた。
やっとの思いで貧乏生活を抜け出し、貯蓄をしたいと思っていた私は、すぐにレジへと向かった。家に帰ってその雑誌を読み込むと、金融資産を多く持つ女性たちの実例がたくさん掲載されていた。その資産を築くまでにどんな道のりを歩んできたのかという年表まで載っている。中には20代のころには金融資産が全くなかった人もおり、「ということは、私も頑張ればこの人たちみたいになれるということ?」と勇気が湧いた。女性たちの資産形成に共通していたのは「投資信託」というものだった。
それからは投資信託が気になって頭から離れず、ネットで調べたり、会社の人とのランチで話題に出して、詳しい人がいるかと探ってみたり(今思えば不思議な人と思われていたのではないかと思うけれど)。そんな中、一人の友人が「これを読むと良いよ」と一冊の本を貸してくれた。初心者向けにお金の増やし方が解説されている本だった。
その方法はさまざまだが、どうやらNISAというもので月々積み立てる方法が心理的な負担も少なく、堅実らしい。そう読み取った私は、すぐに口座開設を申し込んだ。20代前半でお金に苦労した私。急にお金を注ぎ込むことはとても怖くてできなかったので、この「積み立て」というスタイルが投資デビューにうってつけだった。
最初は月に1000円からスタートした。どんなふうに値動きするのだろうかとじっくり観察しながら。するとそのうち、投資信託というものは思っていたほど怖いものではなさそうだ…と肌で感じるようになり、徐々に積立金額を増やしていった。それからは、今まで気にしたことのなかった経済のニュースが気になるようになり、そんな日常自体がとても有益に感じられた。順調に資産運用が進んでいる実感を得た私は、リスキリングのためにスクールに通い、大学院も修了した。積み立てで運用を続けている自信が、積極的な自己投資にもつながった。
10年経った今、勉強しながら選んだ複数の投資信託に分散投資を続けている。当時、初めて積み立てた資金はそのまま売らずに置いてあって、気づけば倍以上に。あの時買った雑誌のお姉さま方の背中を追うように、私の金融資産も地道に育っている。結婚もして、金融経済に詳しい人が夫となった。かわいい息子にも恵まれた。日々の生活に必死だった10年前の私を思うと、とても感慨深い。
母として息子にも将来、資産運用にチャレンジしてもらいたいと思っている。その時は、「習うより慣れろだよ。少しずつでもまずはやってみよう」と伝えたい。あの時、良い選択をしてくれた25歳の私、本当にありがとう。
