日本では超低金利が続き、預貯金ではお金はほとんど増えません。

そんな状況で「いい投資はないか」と考える人に、怪しい投資話が持ちかけられるのはよくあることでしょう。筆者は基本的に日本の金融機関で取り扱わない運用商品を推奨することはありません。しかし、相談者の中には合法性に疑問符の付く投資に関心を持つケースも多いのです。

今回はその中でもとりわけ印象的だった事例をご紹介します。

相談者は経営者として成功を収めた60代女性

相談者の石田道代さん(仮名・63歳)は、補整下着や化粧品の販売の会社を経営する女性です。30代で前夫と離婚し、その後は女手ひとつで子どもを育てながら事業を営んできました。道代さんの事業は会社組織にこそなっていますが、実態はほとんど1人で営業している状態です。ただ、小規模ながら業績は堅調で、30年以上続いています。

資金に余裕のある道代さんには、仕事柄付き合いが広いこともあり、多くの投資話が寄せられます。

最近、新しい投資法があると都内の投資セミナーに誘われ、勧誘を受けたそうです。「絶対にもうかる、いい話だとは思うけれど大丈夫だろうか……?」そんな心配から、道代さんはFPへの相談を思い立ったとのことでした。