新NISAのスタートから2年が経過し、残高急増の一方で「約4割の口座が未稼働」という意外な実態も浮かび上がった2026年上半期。

本稿では、モーニングスター・ジャパン マネジャー・リサーチ部長 元利大輔氏によるレポート『NISA概要レポート2026年上半期 投信残高200兆円突破、NISA利用はなお発展途上』を転載し、資金フローのデータから“投資トレンド”を紐解いていく。

●前編:NISA口座2052万のうち「約4割が未稼働」の衝撃…なぜ「開設したのに放置する人」が生まれてしまうのか【2026年最新】

資金フロー動向

全体

2026年上半期(1-6月)における、日本籍公募株式追加型投資信託への純資金流入額(設定額から解約・償還額を差し引いた金額)は12兆2,600億円となった(図表5)。前年同期の7兆8,533億円を大きく上回り、投資信託市場への資金流入は引き続き高水準で推移している。NISAの年初一括買いの影響が薄れる第2四半期(4-6月)においても純資金流入額は高水準を維持し、前年同期の2兆5,285億円から倍増となる5兆5,425億円を記録した。月別の推移をみても、4月から6月にかけていずれも1兆円を超える純資金流入となり、2025年9月から10カ月連続で1兆円を超えた。特に6月は2兆5,706億円の純資金流入を記録し、2026年では1月、3月に続き3回目の2兆円超えとなった(図表 6)。

このうち、NISA対象ファンドへの純資金流入額は上半期累計で9兆7,336億円となり、前年同期の6兆5,806億円から大きく増加した。第2四半期では4兆423億円となり、前年同期の2兆1,684億円を大幅に上回った。NISA対象ファンドは、引き続き市場全体の純資金流入の中心となっている。特に、低コストのインデックス・ファンドが中心となるつみたて投資枠対象ファンドへの流入は上半期累計で6兆3,474億円、第2四半期で2兆8,915億円となり、NISA対象ファンド全体の中でも大きな割合を占めている。一方、成長投資枠対象ファンドも上半期累計で9兆6,182億円、第2四半期で3兆9,857億円の純資金流入を記録しており、NISAを通じた投資資金はつみたて投資枠対象ファンドに集中しつつも、成長投資枠対象ファンドにも幅広く流入している。

分析対象のユニバースを一般公販ファンド(約4,200本)に限定3した場合、2026年上半期の純資金流入額は10兆5,076億円、第2四半期は4兆6,052億円であった。このうち、NISA対象ファンドへの純資金流入額は上半期累計で9兆5,420億円、第2四半期で3兆9,242億円となった。一般公販ファンドにおいても、NISA対象ファンドが純資金流入の大部分を占める構図は変わっていない。ただし、NISA非対象ファンドも上半期累計で9,656億円、第2四半期で6,810億円の純資金流入となっており、NISA対象ファンドへの集中が続く一方で、NISA対象外の商品にも一定の資金流入が見られた。

 

3 個人投資家の意思決定に関する資金フローのトレンドを分析するため、確定拠出年金専用ファンドおよび SMA/ファンドラップ専用を除外している。

 

設定額(販売額)の動き(図表 7)から見ると、2026年1-5月の分析対象ファンドの設定額は20兆5,445億円となった。このうち、NISA対象ファンドは16兆3,321億円、NISA非対象ファンドは4兆2,123億円であり、NISA非対象ファンドは設定額全体の約2割を占めている。特に5月は、NISA非対象ファンドの設定額が9,684億円と1兆円に迫る水準となった。純資金流入額ではNISA対象ファンドの存在感が際立つ一方、販売額ベースではNISA対象外の商品にも継続的に買付需要が確認できる。解約額については大きな変化はなく、分析対象ファンド全体では月ベースで2兆円台前半から半ばの水準で推移している。