資産クラス、カテゴリ別
資産クラス別(図表 12)に見ると、2026年上半期においても株式型ファンドへの純資金流入が圧倒的に多い傾向は変わらなかった。分析対象ファンド全体では、株式型ファンドへの純資金流入額が9兆4,440億円となり、資金流入全体の大部分を占めた。NISA対象ファンドに限っても、株式型ファンドへの純資金流入額は7兆8,023億円に達している。債券型ファンドおよびREIT型ファンドでは資金流出が続いた。アロケーション型ファンドには、分散投資を意識した資金流入が継続している。2026年上半期のアロケーション型ファンドへの純資金流入額は、分析対象ファンド全体で1兆1,673億円、NISA対象ファンドで1兆1,635億円となった。株式型ファンドに比べると規模は小さいものの、一定の資金が継続して流入している。これは、株式型ファンドを中心とする投資行動が続くなかでも、資産分散を意識した商品への需要が一定程度存在していることを示している。
ただし、分散投資への需要は一様に広がっているわけではない。金関連ファンドが多く含まれる「その他」の資産クラスは、上半期累計では純資金流入となったものの、第2四半期には純資金流出に転じた。2025年には、アロケーション型や金関連ファンドへの資金流入を通じて、株式一辺倒から分散投資へ向かう兆しが見られたが、2026年第2四半期の資金フロー動向は、その流れが鈍化したことを示唆している。
長期投資において、株式などのリスク資産を一定程度保有することは、経済成長の恩恵を享受するうえで合理的である。一方で、すべての投資家にとって株式型ファンドへの集中が最適とは限らない。アロケーション型への資金流入は分散投資への関心を示すものの、債券型・REIT型からの資金流出や「その他」の第2四半期における流出を踏まえると、分散投資の広がりはなお限定的である。投資家が自身のリスク許容度に応じて、株式型ファンドだけでなく、アロケーション型、債券型、REIT型、金関連ファンドなどを組み合わせた、より分散されたポートフォリオを構築していくことが望まれる。
カテゴリ別の資金フロー動向を見ると、2026年上半期も、外国株式・世界型や外国株式・米国型など、海外株式に投資するカテゴリが純資金流入額の上位を占めた(図表 13)。これらのカテゴリには、低コストの世界株式、米国株式インデックスファンドが多く含まれており、NISAを通じた長期・分散投資の資金流入が、引き続きこれらのカテゴリを押し上げている。
第2四半期においてもこの傾向は大きく変わらないが、ストーリー性を意識したカテゴリへの資金流入も確認された(図表 14)。AI、半導体、素材関連などのテーマ型ファンドや、新興国株式ファンドが上位ファンドに入ったことを反映し、テクノロジー関連や新興国株式関連のカテゴリにも資金が向かった。ただし、このような資金流入はカテゴリ全体に広く流入しているというより、一部の新設ファンドや特定の販売チャネルを通じた個別ファンドへの資金集中という側面もある。したがって、テーマ型ファンドへの関心は高まっているものの、投資家全体の資金配分が一様にテーマ投資へ傾いているとまでは言い切れない。
国内株式では、日経平均株価が高値圏で推移する中でも、日経平均連動のインデックスファンドを多く含む国内株式・大型成長型から目立った資金流出が見られなかった点が注目される。従来は、日経平均が大きく上昇した局面では利益確定とみられる資金流出が生じやすかったが、第2四半期はその動きが限定的であった。国内株式についても、短期的な売買対象としてだけでなく、長期保有資産として捉える投資家が一定程度増えている可能性がある。
流出面では、外国株式・インド型からの資金流出が目立った。インド株式ファンドは、2年前は長期的な経済成長ストーリーを背景に資金流入上位に入ることも多かったが、2026年上半期および第2四半期では純資金流出額の上位カテゴリとなった。長期的な成長ストーリーを背景に資金を集めた国別・テーマ型ファンドは、短い期間で資金流出に転じやすい面があることをうかがわせる。
レーティング別
過去のカテゴリ内におけるリスク調整後リターンを相対的に比較したモーニングスター・レーティング別の資金フロー(図表 15)を見ると、5つ星および4つ星ファンドへの純資金流入が継続して確認された。対照的に、アクティブ・ファンドでは、2つ星および1つ星ファンドからの純資金流出が続いている。このような傾向は、投資家がファンド選定において過去のパフォーマンスを引き続き重視していることを示唆している。
ただし、過去のパフォーマンスが優れていたとしても、将来的に同等の運用成績が持続する保証はない。そこで補完的な指標として活用されるのが、アナリストによる定性評価とそれを反映した定量モデルで構成されるモーニングスター・メダリスト・レーティングである。メダリスト・レーティング別の資金動向を確認すると、インデックス・ファンドにおいては、金・銀・銅といった高評価ファンドへ資金が集中する傾向が鮮明である。一方、アクティブ・ファンドについては、メダリスト・レーティングによる資金流入の差異は限定的となっている。
5 各ファンドのレーティングは毎月計算されるため、モーニングスター・レーティング別については資金流出入月の前月末基準のレーティング、モーニングスター・メダリスト・レーティング別は前々月末基準のレーティングをそれぞれ用いて分類し集計している。




