まとめ
NISAを通じた資産形成は一段と拡大している。証券会社全社における新NISA残高は2025年末に29.8兆円となり、2024年末の13.5兆円から2倍以上に増加した。残高増加の主因は資金流入であり、2024年末から2025年末にかけての純資金流入額は11.1兆円と、残高増加分の約7割を占めた。一方で、NISA口座の約4割は2025年中に買付がない未稼働口座であり、制度の認知・口座開設が進むなかでも、実際の投資行動につなげることは引き続き課題である。また、世代によって利用状況には差があり、現役世代ではつみたて投資枠を中心とした利用が広がる一方、高齢層では成長投資枠中心の利用が目立つなど、NISAの使われ方には明確な違いが見られる。
投資信託市場への資金流入も、引き続き高水準で推移している。2026年上半期における日本籍公募株式追加型投資信託への純資金流入額は12兆2,600億円となり、前年同期の7兆8,533億円を大きく上回った。第2四半期も5兆5,425億円と前年同期から倍増し、月別では2025年9月から10カ月連続で1兆円を超える純資金流入となった。資金流入の中心は引き続きNISA対象ファンドであり、なかでも低コストのインデックス・ファンドへの資金流入が続いている。一方で、AI、半導体、素材、新興国株式など、相場テーマや成長分野を意識したファンドにも資金が向かっており、低コストインデックスを中核に据える投資家層と、テーマ性や販売会社の商品提案に反応する投資家層が併存しているとみられる。
今後は、NISAを通じた長期投資の拡大を維持しつつ、特定の商品や資産クラスに過度に偏らないことが重要となる。2026年上半期も株式型ファンドへの資金流入が圧倒的に多い一方、アロケーション型ファンドにも継続的な資金流入が見られ、分散投資を意識した動きも確認された。ただし、債券型・REIT型では資金流出が続き、金関連ファンドを多く含む「その他」の資産クラスも第2四半期には流出に転じるなど、分散投資の広がりにはなお濃淡がある。また、新設ファンドではテーマ性や成長分野を打ち出したファンドが大きな資金を集めたが、テーマ型ファンドは期待が高まった局面で設定・販売されることも多く、投資タイミングやコスト、リスク特性には注意が必要である。投資家には、株式型ファンドを中核としつつも、自身のリスク許容度に応じて、アロケーション型、債券型、REIT型、金関連ファンドなどを組み合わせた、より分散されたポートフォリオを構築していくことが求められる。
