純資金流入上位ファンド

2026年上半期の資金純流入額上位ファンド(図表 8)では、低コストのインデックス・ファンドが引き続き強い存在感を示した。「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が2兆2,473億円で1位、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が1兆1,271億円で2位となり、両ファンドの合計で3兆3,744億円の純資金流入を記録した。両ファンドは純資産総額でも国内投信市場を代表する大型ファンドとなっており、それぞれの残高は10兆円を超えており、他のファンドを大きく引き離している。これらに次いだのが「インベスコ世界厳選株式オープン〈為替ヘッジなし〉(毎月決算型)」で、上半期の純資金流入額は8,022億円であった。上位3ファンドの合計では4兆円を超えており、個人投資家の資金が一部の大型ファンドに集中して流入する構図は続いている。

この動きは、NISAを通じた長期・積立投資の受け皿として、投資家が低コストで分散性の高いインデックス・ファンドを中核資産として位置づけていることを示している。特に、上位2ファンドを含め、低コストの株式型インデックス・ファンドに資金流入が集中していることは、個人投資家のポートフォリオ構築において、シンプルで分かりやすい運用商品が引き続き選好されていることを示唆している。一方で、上半期の上位30ファンドを見ると、大半は株式型ファンドであったものの、「ピクテ・ゴールド〈為替ヘッジなし〉」などの金関連ファンドも上位に入った。また、「ROBOPROファンド」などのアロケーション型ファンドにも大きな資金流入が見られた。株式型インデックス・ファンドを中心としながらも、金やバランス型商品への資金流入は、投資家が市場変動への備えや資産分散も意識していることをうかがわせる。

第2四半期(4-6月)も、上位の顔ぶれに大きな変化は見られず、低コストのインデックス・ファンドに対する投資家の根強い需要が確認された(図表 9)。一方、5位以下では一部に変化も見られた。第2四半期の上位ファンドでは、AI、半導体、素材関連などのテクノロジー・テーマ型ファンドや、新興国株式ファンドが上位にランクインしており、相場テーマや成長分野を意識した資金流入も目立った。これらのファンドへの流入は、足元の相場テーマや販売会社による商品提案に反応した資金である可能性がある。したがって、上位ファンドへの資金流入を一様な投資行動として捉えるのではなく、低コストインデックスを選好する投資家層と、テーマ性や商品提案に反応する投資家層が併存していると見ることができる。