ポッドキャスト番組「投信フリーク」第9回のタイトルは、『ロケーションなのか? カルチャーなのか? 人気アクティブファンドの“強さ”を決めるものは』。
投資信託の分析評価等を行うQUICK資産運用研究所の所長、清家 武さんをゲストに迎えたインタビューの第2弾。足元の歴史的な高値に沸くマーケットにおいて、清家さんが気になるトレンドと「もしリーマンショック級の危機が再び来たら?」どう乗り越えればいいのか、心構えを伺いました。
そんな投信フリーク#9より、「清家氏注目のアクティブファンド」「運用とロケーションの関係」など一部抜粋・再編集してお届けします(収録は6月25日 前回#8はこちら)。
▼全編はポッドキャストでお聞きください。
<ゲスト:清家 武 氏>
QUICK資産運用研究所所長。1994年山一證券に入社後、QUICK情報本部 ファンドアナリスト、QBRチーフファンドアナリスト等を経て現職。投資信託、金融市場のマーケティング、分析を行う。2018年以降、金融庁に、運用会社KPIや投資信託やファンドラップのパフォーマンスなどの分析データを提供。
投資信託の資産残高ランキング アクティブファンドも存在感を放つ
――投資信託の純資産総額ランキングのツートップはeMAXIS Slimの全世界株式(オールカントリー)と米国株式(S&P500)という、2つの巨大インデックスファンドですが、3位以降のラインアップも含めて、清家さんはこの状況をどのようにご覧になっていますか。
インデックスファンドとアクティブファンドの議論はここ50年ぐらいずっと続いていますよね。金融業界に身を置いている私としては、ETFやインデックスファンドばかりになっていくと業界が停滞していく可能性が高いと考えています。
ただ実際、2026年前半の公募投信の資金流入ランキングで3位以降を見ると3位は「世界のベスト(インベスコ 世界厳選株式オープン【愛称:世界のベスト】)」、4位には「グロース・オポチュニティ(フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド Dコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし))」がランクインしています。これらのアクティブファンドは主に対面型の金融機関で人気を得ています。
このようなファンドも売れていることを見ると、棲み分けが進んでいる印象ですね。eMAXIS Slimシリーズは積立投資などが中心で人気になっていると感じます。
資産残高1兆円超えのアクティブファンドは20本中9本…注目銘柄は?
――実際、今年4月に過去最多の20本になった残高1兆円超えのファンドの内訳は、インデックス型が11本に対し、アクティブ型が9本と、アクティブ型が踏みとどまっている印象です。この中で、清家さんが「面白いぞ」と注目されているファンドを教えてください。
資金流入がグイグイ増えている朝日ライフ アセットマネジメントの「ネクスト・ジェネレーション(WCM 世界成長株厳選ファンド)」ですね。実質的に運用しているのはナティクシス傘下のWCMというブティックマネジャーです。運用成績がすごく良いところがYouTubeやSNSでバズって、2025年10月頃からネット証券を中心に売れ出しましたね。今年からは対面の金融機関にも広がり、販売会社が一気に増えているファンドです。
WCMの運用の特徴は、企業文化を専門的に分析する「カルチャーアナリスト」が在籍している点。例えば有名な超一流企業でも、不正会計や工場の不正監査などが起こった根本的な原因が「トップが社内に対して過度なプレッシャーを与え続けていた」ということもあり得るわけですから、組織のあり方や風土を調査・分析することも重要です。
カルチャーアナリストが在籍しているくらいですから、WCM自身も自らの企業文化を大切にしている印象を受けます。
実際、オフィスもカリフォルニアのラグナビーチという綺麗な海の目の前にあって、自由闊達なカルチャーを体現しています。こうした「どこで運用をしているのか」といった立地の影響も結構大きいと思っています。
ニューヨークやロンドンといった大都会の喧騒から距離を置くことで、過熱感のあるマーケットに惑わされずに人間の本質を大事にして、本当に良い銘柄を発掘できる側面もあるのかもしれません。彼らのファンドは、マグニフィセント7ではなく、シーメンス・エナジーやアップラビンといった珍しい企業を組入上位銘柄としています。こういった独自の企業選定ができることも大事だと思いますし、それがアクティブファンドの魅力だと考えています。
清家氏にはWCM以外にも大都市以外に運用拠点を構える有名マネジャーを紹介。さらに続いて、個人投資家に向けて「リーマンショック級」の危機が到来した時、どういった心構えで対処すべきなのか、心構えを伺いました。この続きはぜひポッドキャストでお聞きください。

