投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、SBI証券。

SBI証券の投信販売金額人気(週間)の2026年8月第4週(8月17日~8月21日)のトップ2は前週と変わらず、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。第3位は前週第5位だった「SBI 日本株4.3ブル」が上がり、前週第3位だった「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は第4位に下がった。また、第5位には前週第9位だった「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が上がり、前週は第8位だった「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」も第7位に上がるなど国内株式ファンドがランクアップしている。第6位には前週第10位だった「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」が上がり、第10位にはトップ10圏外から「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」がランクインした。

※SBI証券サイト内「販売金額人気ランキング」に基づき編集部作成。期間は2026/8/17~2026/8/21。
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_ActionID=DefaultAID&getFlg=on&burl=iris_ranking&cat1=market&cat2=ranking&file=index.html&dir=tl1-rnk%7Ctl2-fund%7Ctl3-resrank%7Ctl4-price

「オルカン」「S&P500」の優位変わらず、日本株に期待も

8月第4週(17日~21日)は、米国とイランの停戦期限切れや交渉難航を受けて中東の地政学リスクが再燃した。米国「S&P500」(前週末比1.43%安)や「NASDAQ総合」(同2.05%安)は4週間ぶりに下落。NY原油先物市場では1バレル=84ドル台から87ドル台にじり高となり、米10年国債利回りは4.7%台で高止まりした。市場の先行き不透明感を嫌って「SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)」は週間で5.75%安と大きく下落した。国内株式は「日経平均」が3.93%安、「TOPIX」が3.10%安と下落し、欧州株価は横ばい(英「FTSE100」0.62%高、独「DAX」1.15%安)、新興国株価も「上海総合指数」が0.56%安、インド「sensex30」が0.60%安だった。8月14日までは日米独で株価指数が史上最高値を更新する好調だったが、第4週は一転して厳しい1週間になった。

SBI証券の売れ筋ランキングでは、「つみたて投資」という継続投資契約の規模が大きい「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(いずれも設定は三菱UFJアセットマネジメント)がトップ2を独走しているが、第3位以下では国内株ファンドのランクアップが目立った。国内主要株価指数は欧米や新興国の主要株価指数と比較して大きな値下がり率になっているにもかかわらず、投資家の購入意欲は高まったことになる。特にブル型の「SBI 日本株4.3ブル」(SBIアセットマネジメント)や「楽天日本株4.3倍ブル」(楽天投信投資顧問)が大幅にランクアップしているのは、国内株式市場が今後上昇していくことを強く信じていることを感じさせる。

「SBI 日本株4.3ブル」の基準価額は、2026年6月末から7月末まで39.08%安と急落し、その後、8月14日まで36.02%高と大きく回復していた。ところが、8月21日までの1週間で16.51%安と再下落している。まさに、ジェットコースターのような上下動を繰り返しているが、この8月第4週の下落過程で同ファンドの購入が増えた。同ファンドは2025年12月末を起点とすると、8月21日時点でも101.17%高で2倍超の水準にある。2026年のピークは6月22日で、この時点では前年末比で254.93%高と3.5倍超の水準にまで上昇した。6月22日は「日経平均株価」が7万2363円の高値を付けたタイミングだ。8月21日の「日経平均株価」は6万6016円だが、この水準から再び7万円を超える水準に株価が上昇するという期待が強いのだろう。今後の株価の行方に注目したい。

エヌビディア、クラウドストライクの決算がどう影響?

「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」(朝日ライフ アセットマネジメント)や「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(インベスコ・アセット・マネジメント)などのアクティブファンドがランクアップしていることにも注目したい。1週間程度のパフォーマンスでアクティブファンドが際立って優れた成績を示すわけではない。株式市場の先行きが不透明となり、企業決算の内容に対する株価の反応が大きくなっている中で、一部の投資家がプロの運用者の調査・分析力に期待したいという気持ちが強まっていることの表れのように感じられる。

市場では8月最終週には半導体大手のエヌビディア、また、ソフトウエア企業のセールスフォースやクラウドストライクなどの四半期決算が発表される。史上最高値水準に大きく値上がりした株価は、地政学リスクの高まりとともに、景気判断をどうするのか、そして、企業決算の内容を分析し、今後の株価を見通すのかということが重要な局面を迎えている。今後の推移の中で、アクティブファンドが期待にかなう成績を残せるのか、その推移を見守りたい。

執筆/ライター・記者 徳永 浩