投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、中国銀行。
中国銀行の投信売れ筋ランキング(窓口販売件数)の2026年7月のトップは前月同様に「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」だった。同ファンドは3カ月連続でトップを維持している。第2位には前月第3位だった「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)が上がり、第3位は前月第6位だった「WCM 世界成長株厳選ファンド(資産成長型)」、第4位は前月第8位だった「ちゅうぎん日経225インデックスファンド」が上がった。前月第2位だった「ニッセイ・パワーテクノロジー株式ファンド(3カ月決算・予想分配金提示型)」は第6位まで後退した。
※中国銀行の投資信託販売件数ランキングの「窓口販売」(2026年7月)に基づいて編集部作成。
https://www.chugin.co.jp/single/account/toushin_ranking/
AIバブル懸念で「パワーテクノロジー株式」は基準価額が下落
中国銀行の売れ筋ランクキングで前月は第2位にまで順位を上げていたニッセイアセットマネジメントの「ニッセイ・パワーテクノロジー株式ファンド(3カ月決算・予想分配金提示型)」が第6位にまで大きく後退した。同ファンドは「電力」に関する優れた技術やビジネスモデルを有する企業の株式を主な投資対象としたファンドだ。AIブームの下で大規模データセンターの需要が急速に高まり、そのセンターを運営するために莫大(ばくだい)な電力が必要とされるとあってAI関連銘柄の一角として6月下旬まで基準価額が堅調に上昇した。ところが、7月にはAI・データセンター関連投資の収益性への懸念が高まったことによってAI関連株が下落し、同ファンドの基準価額も1カ月間で11.68%も下げ、基準価額が1万円の大台を割り込んでしまった。これは、全世界株インデックスファンドや米国S&P500インデックスファンドの1%程度の下落に対して大きな下落率であり、AI・半導体関連株の影響が大きくなっていた日経平均連動型の「ちゅうぎん日経225インデックスファンド」(中銀アセットマネジメント)のマイナス8.23%を大きく上回った。
それに対し、「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」(設定は朝日ライフアセットマネジメント)は、7月の月間リターンがマイナス4.75%、「世界のベスト(毎月決算型)」(インベスコ・アセット・マネジメント)はプラス2.72%とプラスリターンを獲得している。「電力」という特定の産業に特化した「ニッセイ・パワーテクノロジー株式ファンド」と比較してさまざまな業種に分散投資できるファンドの強みが感じられる動きだった。
一方、「ちゅうぎん日経225インデックスファンド」は比較的大きなマイナスリターンだったにもかかわらす、売れ筋ランキングで順位を大きく上げている。これは、今回の下げ局面を「押し目買いの好機」と考えた投資家が多かったということだろう。国内株式市場の先高期待の強さを感じさせる動きといえる。これに対して「ニッセイ・パワーテクノロジー株式ファンド」が7月のパフォーマンス悪化で人気が衰えてしまったのは、同ファンドが2026年4月15日に新規設定されたばかりのファンドで、過去の運用実績が検証できないために今後の展望を考える材料が不足していたという側面があったとも考えられる。
過去3年リターンが「日経225」を大きく上回る日本株ファンド
ランキングの第8位に浮上した「小型ブルーチップオープン」(野村アセットマネジメント)は、国内株の中小型成長銘柄を投資対象とし、バリュエーションを勘案して厳選投資するファンドだ。「日経平均株価」が大型株の225銘柄であるため、そこに入ってこない銘柄群に投資することになる。月報によると7月末時点で1カ月間の騰落率はマイナス9.4%だが、過去1年は71.5%、3年で133.3%と「ちゅうぎん日経225インデックスファンド」の1年58.2%、3年100.4%を大幅に上回っている。国内株ファンドの選択肢の1つとして注目される。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

