投資信託を選ぶ時に過去の運用実績や純資産残高ランキングを参考にする投資家は少なくない。そこにもう1つ判断基準として加えたいのが「運用会社の実力」だ。本稿ではモーニングスター・ジャパンの最新レポートから投資判断に役立つポイントを紹介する。

なぜファンド選びに「運用会社」の軸が必要なのか

投資信託の「メーカー」ともいえる運用会社は、商品の企画・組成から資金の投資先・配分の決定、日々の運用における管理業務に至る一連のプロセスを担っている。特に全体の商品ラインアップや信託報酬の設定には各社の特色が色濃く反映されるため、投資家が投資成果の最大化を狙いながら長期で安心して保有できる1本を探す場合、「運用会社の見極め」は欠かせない要素となる。

しかし、投資家が自身で情報収集をして判断を下すのは容易ではない。そこで参考にできる情報の1つが、モーニングスター・ジャパンによる『資産運用会社概要レポート:日本 2026 -日本の運用会社60社を徹底比較-』だ。

最高評価を獲得した運用会社3社

同レポートでは残高上位60社の運用会社が取り上げられ、そのうち31社についてアナリストによる評価が行われた。31社のうち1割が最高評価の「高」、4割が「平均以上」を獲得する結果となった。

今回「高」を獲得したのは「キャピタル・グループ」「JPモルガン・アセット・マネジメント」「スパークス・アセット・マネジメント」の3社。「平均以上」の評価を獲得したのは「野村アセットマネジメント」「三井住友DSアセットマネジメント」を含む10社だった。

●「高」「平均以上」の評価を獲得した運用会社一覧

※評価の詳細や運用会社31社のファクトシートは、レポート本編『資産運用会社概要レポート:日本 2026 -日本の運用会社60社を徹底比較-』で確認できる。

評価で重視されたのは「投資家本位であるか」という点だ。モーニングスター・ジャパン マネージャーリサーチ部長である元利大輔氏は「最も重視しているのは運用会社がどこを向いて経営しているかです。投資家を向いているのか、それとも親会社や販売会社を向いているのかを見ています。規模の大きさは関係なく投資家本位であるかどうかを最大の切り口としています」と説明し、「具体的には、運用組織の強化に予算や力が注がれているか、ガバナンスやリスク管理への取り組み姿勢、商品開発の慎重さ、そして投資家との利益の一致といった観点を検討します」と補足した。

ほかにもスパークスが強みに徹した運用体制を、コモンズ投信が顧客獲得における慎重な姿勢を評価されるなど、運用資産残高の大きさだけでは測れない実力が存在することも示唆されている。

運用会社の実力も含めて投資信託を検討したい方は、まずアナリストの視点を借りながら「投資家本位の経営方針」の確認をすることから始めてみてはいかがだろうか。