NISAの普及もあり、話題にのぼることが多くなった投資信託。でも、一体どうやって選べばよいのでしょうか? 投信ライターの德永浩氏が、ちまたでなにかと比べられる2本の投資信託を比較・分析してそれぞれの特徴や強み、知っておくべきポイントを考察します。
世界株アクティブの有力な選択肢「世界のベスト」と「WCM」
「インベスコ 世界厳選株式オープン(愛称:世界のベスト)」(以下、「世界のベスト」)は「毎月分配型」の純資産残高が4兆円を超え、国内公募投資信託(ETF除く)で国内最大のアクティブファンドです。「年1回決算型」、「奇数月決算型」など分配頻度や為替ヘッジの有無の違いがある同じ運用戦略のシリーズを含めると合計純資産残高は4兆7000億円に迫る規模に拡大しています。
一方、同じ「厳選」を掲げる「WCM 世界成長株厳選ファンド(愛称:ネクスト・ジェネレーション)」(以下、「ネクスト・ジェネレーション」)は「予想分配金提示型」の純資産総額が約4750億円で「世界のベスト」の10分の1程度の大きさですが、その優れたパフォーマンスによって急速に支持を拡大し、「資産成長型」と合わせた純資産総額は6000億円に迫ります。この2本のファンドは「世界株・厳選」では同じでも、「厳選」の視点や方法、ポートフォリオの中身は大きく異なっています。徹底比較によって両ファンドの特徴を明らかにします。あなたなら、どちらを選びますか?
同じ“厳選”でも中身は違う2本
「世界のベスト」と「ネクスト・ジェネレーション」の運用の特徴をまとめると、以下のようになります。
「世界のベスト」
・世界中の優良企業に分散投資
・比較的「王道」スタイル(大型株中心)
・景気サイクルに合わせてバランス運用
・安定性、再現性を重視
「世界のベスト」の銘柄選別のポイントは、「成長」「配当」「割安」という3つの観点です。「成長」だけではなく、「配当」や「割安」という要素にも注目し、景気変動の波にも左右されにくく、常に安定的な収益が獲得できる「全天候型」といえるポートフォリオをめざしています。このポートフォリオ構築の考え方は、「コア」といえる運用資産の中核にすえる資産向きといえます。
「ネクスト・ジェネレーション」
・世界の高成長企業に集中投資
・銘柄数は少なめ
・競争優位性を重視
・値動きは大きい(高ボラティリティ)
「ネクスト・ジェネレーション」の銘柄選定のポイントは、「参入障壁」と「企業文化」で、2つの要素によって「構造的成長力」があるかを判断し、その上でバリュエーションに基づいて最終的な投資銘柄を決定しています。「成長」を重視し、成熟した企業を避けて未上場企業も含めて投資対象をグローバルに求めていることが特徴です。ポートフォリオは大型株よりも中小型株に偏り、積極的にリターンをめざす「攻め」の運用といえるでしょう。その分、価格変動率は大きくなりがちで「サテライト」向きの商品と言い換えることもできます。

