NISAの普及もあり、話題にのぼることが多くなった投資信託。でも、一体どうやって選べばよいのでしょうか? 投信ライターの德永浩氏が、ちまたで注目されている2本の投資信託を比較・分析してそれぞれの特徴や強み、知っておくべきポイントを考察します。

「S&P500さえ買っておけば大丈夫」は本当!?

「日経平均」が6月25日に7万2366円にまで上昇しました。この時点での年初来上昇率は43.76%に達しています。これは、米国「S&P500」の史上最高値76,096ポイント(6月2日)が年初来上昇率11.16%であることを大幅に上回ります。

これまで、世界で最もパフォーマンスの良い市場は米国であるという評価が独り歩きしていましたが、当然ながら、常に最高の市場が米国で決まっているわけではありません。過去3年を振り返ると「日経平均」が「S&P500」を圧倒しています。同じ国内株インデックスの「TOPIX(東証株価指数)」は6月22日の史上最高値まで年初来上昇率は20.13%でした。「日経平均」の上昇率が際立っていますが、「TOPIX」の上昇率も「S&P500」の約2倍の水準です。

長期資産形成のために積立投資をする対象は「S&P500」連動型インデックスファンドと決めつけて考えている投資家が少なくありません。このため、「S&P500」に連動するインデックスファンドの純資産残高は、残高の多い5本の合計で約17兆5000億円に達し、その中で残高トップの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は約12兆2500億円でトップ5合計の約70%を占めるほどに残高が集中しています。「日経平均」に連動するインデックスファンドの残高上位5本の合計は約2兆4700億円で、残高トップの「ニッセイ 日経225インデックスファンド」の残高(約5200億円)はトップ5の約21%を占める程度に過ぎません。「S&P500」連動型は「日経平均」連動型の7倍を超える残高があり、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」への極端な集中があります。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「ニッセイ 日経225インデックスファンド」を比較して、残高で大きな格差がついてしまった日米のインデックスファンドの違いについて客観的に理解して、投資戦略を考えてみましょう。