新NISAの「成長投資枠」は国内外の株式や投資信託が対象だが、銘柄選びに迷う方も多いだろう。そこで、投資対象別の重要ポイントを3回に分けて解説する。後編となる今回は「投資信託」の選び方について。

【成長投資枠】投資信託は2つのポイントで選ぼう

新NISAの成長投資枠では投資信託へも投資できる。およそ2500銘柄ほどから選ぶことが可能だ。また、つみたて投資枠の対象となっている約350銘柄を成長投資枠で購入することもできる(銘柄数はいずれも2026年4月時点)。

膨大な選択肢があるため、自分なりの基準を設けて銘柄を選ぶことが重要。明確な基準を持たずに投資すると、思わぬ損失を招くリスクが高まってしまう。まずは次の2つのポイントをチェックすることから始めよう。

【投資信託の選び方ポイント】
①    目的(配当、成長性、分配金)で選ぶ
② 純資産総額をチェック

①    目的(配当、成長性、分配金)で選ぶ

投資信託の銘柄選びで大切なのは、投資で「何を狙うか」という目的を明確にすること。「高配当を狙いたい」「成長性を見込んで売却益を得たい」「分配金で安定収入を目指したい」など、目的によって銘柄の選び方は変わる。

投資信託の多くには、運用の目標とする指数(ベンチマーク)が設定されている。その種類は高配当指数、成長株指数、特定国の株式市場全体の指数など多様だ。高配当を目指したいなら、高配当指数への連動を目指す投資信託など、自分の目的に合ったベンチマークを採用している銘柄を選ぶとよいだろう。

分配金が目的の場合は、分配頻度に注意しよう。投資信託の分配金は株式の配当金に似ており、定期的に分配金を支払う投資信託も多くある。毎月、隔月、四半期、年1回など分配金の頻度は投資信託によって異なり、分配頻度が高い投資信託は、定期的な収入が得られと、人気の傾向にある。

ただし、特にシニアに人気の毎月分配型については新NISAの成長投資枠の対象外となっている点には注意が必要だ。なお、隔月分配型(2カ月に1回分配)の投資信託は成長投資枠の対象なので、毎月分配型の代替として隔月型分配型という選択肢もある。

また、分配金の種類についても理解しておく必要がある。分配金には、運用の利益から支払われる「普通分配金」と、投資した元本を取り崩して支払われる「元本払戻金(特別分配金)」の2種類がある。後者の場合、支払われた分だけ元本が削られ、基準価額(投資信託の価格)が下落する点に注意が必要である。

②純資産総額をチェック

どのような目的で投資信託を選ぶ場合でも、運用規模を示す「純資産総額」の確認は欠かせない。純資産総額は、投資信託の規模の大きさを表す。具体的には、投資信託に組み入れられた資産の総額から、運用に必要なコストを差し引いた実質的な資産残高のことだ。

一般的に、運用成績が良く人気のある投資信託には投資家からの資金が集まり、純資産総額は拡大する。反対に、パフォーマンスが低迷し人気のない投資信託からは資金が流出し、規模は縮小していく。純資産総額が極端に減少すると、運用を継続できなくなり途中で終了する「繰上償還」のリスクが高まるため、注意が必要である。

まとめ:新NISAの有効活用には準備が大事

2024年に抜本的な拡充を遂げた新NISAは、今や資産形成に欠かせない制度として定着しつつある。特に年間240万円の成長投資枠は、国内外の株式から、投資信託、ETF、REITまで幅広い選択肢を非課税で運用できるのが最大の魅力。

自由度が高いからこそ、安定した成果を得るためには目的に合わせた銘柄選びが重要になる。チェックポイントを参考に最適な銘柄を選び、限られた非課税枠を賢く有効に活用していこう。