投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、SBI証券。
SBI証券の投信販売金額人気(週間)の2026年8月第2週(8月3日~8月7日)のトップ2は前週と変わらず、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。第3位は前週第6位だった「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」、第4位も前週第7位だった「SBI NASDAQ100インデックス・ファンド」が上がった。また、トップ10圏外から第8位に「iFreeNEXT FANG+インデックス」、第9位に「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」がランクインするなど、米国株式ファンドがランクアップしている。
※SBI証券サイト内「販売金額人気ランキング」に基づき編集部作成。期間は2026/8/3~2026/8/7。
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_ActionID=DefaultAID&getFlg=on&burl=iris_ranking&cat1=market&cat2=ranking&file=index.html&dir=tl1-rnk%7Ctl2-fund%7Ctl3-resrank%7Ctl4-price
「FANG+」など大型ハイテク株が復調
8月第1週(3日~7日)は、トランプ米大統領が対イラン攻撃の中止を表明したことで地政学リスクへの懸念が和らぎNY原油先物価格が1バレルあたり70ドル台に低下したことが株式市場の追い風となった。8月3日に「NYダウ」が史上最高値を更新し、4日には「S&P500」も史上最高値を更新するなど、米国株式市場の上昇に弾みがついた。「S&P500」は週末7日も、米7月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想8.0万人増に反して2.3万人の減少となりFRBの利上げ観測が後退したことを手掛かりに、終値で史上最高値を更新するなど、翌週以降にも期待をつなぐ動きになっている。
欧州でも好調な企業業績を背景にドイツのDAX指数が史上最高値を連日で更新する好調な1週間になった。世界の株式市場は、米国とイランの間の紛争に終結の見通しが立たないことを背景に6月、7月と2カ月連続で「S&P500」、「NASDAQ総合」が下落し、国内「日経平均株価」や中国の「上海総合指数」は6月に持ち直していたものの7月はそれぞれ前月末比6%を超える下落だった。それだけに、米国とイランの間の紛争が戦争再開に発展しないという見通しが開けたことに株高で歓迎した。
SBI証券の売れ筋ファンドランキングは、復調した米国株式をストレートに反映した動きになった。7月までランクダウンしていた米国株価指数の「S&P500」や「NASDAQ100」、あるいは、「FANG+」といったインデックスに連動するインデックスファンドが軒並みランクアップしている。特に、前週はトップ10圏外に落ちていた「iFreeNEXT FANG+インデックス」(設定は大和アセットマネジメント)や「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」(ニッセイアセットマネジメント)がトップ10に復帰した動きが目立つ。8月第1週で「iFreeNEXT FANG+インデックス」は基準価額が7.11%上昇し、「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」も3.16%の上昇になった。この基準価額の上昇は、両ファンドの組入れ上位である「マグニフィセント・セブン」といわれるような大型ハイテク株の上昇が大きかったことを示している。
国内株式は「日経平均」から「TOPIX」へ
国内株価指数「日経平均株価」と「TOPIX(東証株価指数)」に明暗がくっきりしている。これまで人気を集めていた「日経平均株価」連動型のインデックスファンド「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」(三菱UFJアセットマネジメント)が前週の第4位から第6位に後退し、前週第9位だった「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」(三菱UFJアセット)が第7位にランクアップしている。これは足元でAI・半導体関連株の株価変動率が大きくなり、その株価変動の影響を受けやすい「日経平均株価」の変動を嫌って、より安定的に推移している「TOPIX」に人気の一部が移動しているためと考えられる。
実際のパフォーマンスを振り返ると、2026年7月末時点で「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」は過去1年で59.13%、3年で103.81%、5年で157.49%であり、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」の1年で38.94%、3年で84.20%、5年で136.10%という成績をいずれの期間でも上回っている。足元の価格変動は大きくても、1年以上の期間でみれば「日経平均株価」の方が大きなリターンにつながっているということだ。依然として「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」の方がランクは1つ上にあるが、今後、この2ファンドの人気は、どちらが良くなるのか注目していきたい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

