投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、千葉銀行。
千葉銀行の月間売れ筋(店頭月間販売件数)ランキングの2026年6月のトップ3は前月と同様に「分散名人」、「インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式)」、「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」の順だった。第4位にはトップ10圏外から「日経平均インデックスファンド」がランクイン。また、第7位には「アムンディ・日経平均オープン」、第8位は「世界経済インデックスファンド」、第10位は「インデックスファンドS&P500(アメリカ株式)」がトップ10圏外からランクインした。一方、「日経平均高配当利回り株ファンド」、「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド(資産成長型)Dコース(為替ヘッジなし)(愛称:悠々債券)」、「グローバル株式ファンド(愛称:The GDP)」、「MHAM物価連動国債ファンド(愛称:未来予想)」はトップ10圏外に落ちた。
※千葉銀行サイトのファンド・基準価額一覧のランキング「店頭月間販売件数」に基づいて編集部作成。2026年6月末基準。
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「債券」に代わって「株式」がランクアップ
千葉銀行の投信売れ筋(店頭販売件数)ランキングは上位3ファンドは変わらなかったものの、新たに4ファンドがランクインして4ファンドがランク外に落ちるなど転換点を迎えたような動きになった。
トップ10から落ちたファンドは、「悠々債券」(設定はフィデリティ投信)や「MHAM物価連動国債ファンド」(アセットマネジメントOne)など債券を主たる投資対象にしたファンド、また、株式ファンドでも「日経平均高配当利回り株ファンド」(三菱UFJアセットマネジメント)など資産を守ることに重きを置いたファンドだった。これに対してランクインしたファンドは「日経平均株価」連動型のインデックスファンドや米国「S&P500」連動型のインデックスファンドなど、価格変動リスクが大きなファンドになっている。ファンド入れ替えの結果だけでは株価上昇を見込んだ「リスクオン」を感じさせる動きだ。
ファンドのパフォーマンスを振り返ると、6月末を基準として「悠々債券」は1カ月で2.07%、半年で4.83%、1年で17.22%、3年で33.18%という成績。「物価連動国債ファンド」は1カ月でマイナス0.86%、半年でマイナス1.41%、1年でマイナス3.71%、3年でマイナス1.03%だった。同ファンドは5年で6.14%とようやくプラスの成績が確保できている。これに対し、「アムンディ・日経平均オープン」(アムンディ・ジャパン)は、1カ月で5.63%、半年で39.91%、1年で75.01%、3年で119.47%。「インデックスファンドS&P500(アメリカ株式)」(アモーヴァ・アセットマネジメント)は1カ月で0.28%、半年で12.03%、1年で35.84%、3年で93.05%という成績だ。半年程度では成績差が目立たなくても1年、3年と期間が延びるほどに大きく差が開いている。
中東紛争の行方は? 投資家は収束後の株高を期待?
6月から7月にかけて世界の株式市場は米国とイランの間の紛争が収まらず、それに伴う原油価格の上昇を嫌気して弱含みの動きになっている。千葉銀行で6月にみられた人気ファンドの変化は、この株式市場が弱い相場がまもなく一巡し、再び株高が戻ってくるということを期待している動きといえる。実際に中東紛争が長期化しない限りにおいて原油価格上昇の影響が世界経済の影響は限定的とされている。
ただ、国際通貨基金(IMF)では紛争が長期化して原油価格が1バレル=100ドルを大きく超える状況になれば、インフレ懸念から金利上昇が進むことで経済成長率が急落すると警戒している。また、世界銀行も原油供給混乱の長期化なら2026年の世界経済の成長率は現在の予測2.5%から1.3%にまで低下すると見通し、経済協力開発機構(OECD)も紛争長期化のデメリットを警告している。
6月に株式インデックスファンドの購入に動いた投資家の判断は、紛争が長期化して原油価格が一段と上昇する動きになれば報われないことになる。はたして、6月に動いた投資家は報われるのか? 今後の米国・イランの交渉の行方が注目される。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

