50代を襲う、収入の“右肩下がり”
50代の皆さま向けのライフプランセミナー、よくあるご質問の1つが、「50代の今から資産形成を始めても遅いんじゃないか?」です。
もちろん、私からの回答は「資産形成は思ったときが始めどき、それに人生100年ですから、資産形成は50代からでも遅くはありません」となります。
ただ、私自身が50代半ばに差し掛かった今、改めて思うのは、そのご質問の意図や背景のこと。
これが「50代だと長期投資する時間がないから」であれば、「人生100年、まだまだ時間はありますよね」で済みますが、次の2つのグラフを目にしたとき、「もしかしたら“遅い”というのは、時間のことだけではないのかもしれない!?」と思い直したのです。
※1 出所:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」(令和4年3月25日)のデータに基づき、筆者が作成
※2「医療・福祉」の70代以上の賃金は「調査回答数が少なく、利用に際して注意を要する」との注釈あり
一目瞭然ではありますが、賃金のピークは50代の前半か後半、2つのグループに分かれるのです。
つまり、50代のお勤めの皆さまは(私も含めて)遅かれ早かれ、今まで増えるのが当たり前だった給料が逆に減り始める、そんなタイミングを迎えるのです。
だからこそ50代の皆さまは、資産形成を始めなくては、と思う一方で、給料が減るという厳しい現実にも直面し、もう少し早く始めておけば良かったとの後悔も含めて、「今からでは遅いかな?」と吐露している、そういうことだと思い至りました。
ちなみに、筆者である私は4月に55歳になりました。4月の給与明細を見たとき、3月まで出ていた手当が一部、なくなっていました……。
「こういうことって、ホントにきっちりしているなぁ~」なんて、会社のことを変に(?)見直してしまった次第です(苦笑)。
いやいや、そんな私のことはどうでもいいですよね。
皆さんが知りたいのは、収入が低下したときの対応策だと思いますので、次に、その考え方を2つご紹介したいと思います。