「米国で超人気のアクティブETFが投資信託に」のフレコミで投信投資家の注目を浴びる「楽天・JEPQ」
8月14日に新規設定された「楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)」は、米国株式市場に上場されているアクティブETFのうち、年初来で最も資金流入額が大きい「JPモルガン・ナスダック米国株式・プレミアム・インカムETF」を投資対象とする、国内投資信託です。
それぞれファンド名が長いので、本稿では「楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)」を「楽天・JEPQ」、「JPモルガン・ナスダック米国株式・プレミアム・インカムETF」を「JEPQ」とします。ちなみにJEPQとは、米国に上場されている「JPモルガン・ナスダック米国株式・プレミアム・インカムETF」のティッカーコードです。
楽天・JEPQが投資対象とするJEPQは、アクティブETFに分類されています。日本でも2023年6月から、特定の指数に連動しないアクティブETFの上場制度が導入されており、2025年8月時点で19本が上場されています。
とはいえ国内のアクティブETFは、個別ファンドの純資産総額を見るとまだまだ小粒です。最も大きいものでも100億円程度です。
対して、米国株式市場に上場されているJEPQの純資産総額は、291億4300万ドルですから、1ドル=147円換算で、4兆2840億2100万円になります。そもそもマーケットの規模が日米でどれだけ違うのかが、この数字からも分かります。
前述したように、JEPQは米国市場において年初来、最も資金流入が大きい、つまり人気の高いアクティブETFではありますが、日本の個人投資家でそれに気付いている人はまだまだ少数です。
だからこそ「米国で超人気のアクティブETFです」という“フレコミ”にして、それを投資対象にした国内投資信託に仕立て直せば、日本でも人気が出るのではないか、と楽天投信投資顧問が考えたのかどうかは定かでありませんが、米国人気にあやかろうとした面は否めないでしょう。
ちなみに、設定日翌日にあたる8月15日時点の純資産総額は32億8200万円。この額が大きいのか小さいのか、ですが、今年に入って新規設定額が100億円を超えるケースはそれほど多くないので、まあ妥当なところでしょうか。
楽天・JEPQの交付目論見書には、「ファンドの目的・特色」の項目に、『当ファンドがマザーファンド受益証券への投資を通じて投資する、上場投資信託証券(ETF)は、米国の株式を保有しつつ、株式のコール・オプション(買う権利)を売却する「カバード・コール戦略」を採用しています』とあります。また楽天証券の特集ページに掲載されている同ファンドの説明には、「その他の主要な資産と比較して高い利回り」とあり、複数資産の年利回りが示されています。それによると、
S&P500・・・・・・1.30%
グローバルREIT・・・・・・4.30%
米国10年国債・・・・・・4.20%
米国ハイイールド債・・・・・・7.70%
JEPQ・・・・・・12.42%
とあり、JEPQが高利回りであると示されています。そして、これだけの高利回りを実現させるために、カバード・コール戦略を組み合わせるスキームになっています。