各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、みずほ銀行のデータをもとに解説。
みずほ銀行の投信売れ筋ランキングの2025年10月のトップは前月の第2位から「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」が上がった。第2位には前月第6位だった「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」がジャンプアップし、前月トップだった「Oneグローバル債券ファンド2025-10(限定追加型)(為替ヘッジあり)」は第3位に後退した。また、前月第3位だった「キャピタル世界株式ファンド」は第4位に落ち、前月第4位だった「Oneグローバル債券ファンド2025-10(限定追加型)(為替ヘッジなし)」は第8位になった。一方、前月第7位だった「キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)」は第5位に上がり、前月第9位だった「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は第7位に上がった。また、トップ10圏外から「NWQグローバル厳選証券ファンド(為替ヘッジなし/隔月分配型)」が第10位にランクインした。
ランクアップファンドは三者三様
みずほ銀行の売れ筋でトップに立った「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は、前月「Oneグローバル債券ファンド2025-10(限定追加型)(為替ヘッジあり)」にトップの座を譲るまで2024年4月以来ずっとトップを守り続けたファンドだった。販売期間が10月10日までと限定的で、安全重視の5年満期の単位型債券ファンドが一時的にトップに立ったとしても、販売期間が過ぎるとともに本命が浮上した格好だ。バランス型ファンドである「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」に求められているのは、外国株式ファンドが実現するような爆発的な高パフォーマンスではなく、安定的に年率2ケタ近いリターンをかさねていってくれることだろう。9月末時点において2023年9月8日の設定から2年余りの設定来リターンは27.04%、過去1年間のリターンも12.16%という成績は、非常に安定している。
安定的な成長で「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」が人気を誇るのであれば、第2位にまでランキングを上げた「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は足元のパフォーマンスの強さが評価された人気といえる。10月末時点で過去1年間のトータルリターンは43.10%を記録し、代表的な「S&P500」インデックスファンドの約19%、「全世界株式(オール・カントリー)」連動型インデックスファンドの約21%を大きく上回っている。「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は、特に9月以降に基準価額の上昇率が顕著にアップしており、9月、10月に購入した投資家は、相応の価格変動リスクを負っていることを覚悟せねばならない。
そして、第9位から第7位にランクアップした「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は代表的な成長株ファンドだ。10月末時点での過去1年間のトータルリターンは28.46%と「S&P500」インデックスファンドなどの水準を超えている。このパフォーマンスの強さが、株式ファンドの中でも人気化しやすい理由の1つだろう。設定は1999年11月とすでに25年以上の歴史があるファンドだ。9月末時点の組み入れ銘柄はトップに「エヌビディア」、以下は「アルファベット」、「アマゾン」、「マイクロソフト」、「メタ・プラットフォームズ」など、いわゆる「マグニフィセント・セブン(M7)」といわれたハイテク大型株を継続保有している。「M7」は決算等の情報に株価が大きく変動するようになっている。今後、人気が継続するか注目される。


