カバード・コール戦略とは、「プレミアム」分だけ収益が改善できる投資戦略

カバード・コールとは、コールオプションを売る戦略です。

オプション取引とは、将来の特定の期日に、あらかじめ決められた価格で、対象物を買う、もしくは売る権利を売買することで、コールが「買う権利」、プットが「売る権利」になります。

たとえば現在の株価が1000円で取引されている銘柄があり、それを1020円で買う権利、つまりコールオプションが50円で取引されているとしましょう。

この場合、1020円を超えて株価が値上がりするとしたら、1020円のコールオプションを50円で買っておきます。そして目論見通り、株価が値上がりし、1100円になったとします。その時にコールオプションを行使すると、現在1100円で取引されている株式を1020円で買えます。結果、最初に払ったオプション料を含め、1070円のコストで1100円の株式を買ったことになります。

もちろん株価ですから下がることもあります。逆に同上のオプションを買った後、株価が900円まで下がった場合は、コールオプションを放棄します。すると、実際の株価では120円の損失だったのが、コールオプションを放棄するだけですから、50円のオプション料を失うだけで済みます。

これがコールオプションの買いですが、カバード・コール戦略では、このコールオプションを売るという取引を行います。

コールオプションを売る側は、コールオプションを買う側からオプション料を受け取れます。この売り手が受け取るオプション料のことを「プレミアム」と言います。前出の事例で言うならば、1020円のコールオプションを50円買った投資家から、50円のプレミアムを受け取ることになります。これがコールオプションを売る側が得られる収益です。

ただし、株価が1020円に50円のオプション料を加えた1070円という損益分岐点を超えて値上がりすると、そこから先の値上がり分は、コールオプションを売る側にとって損失になります。つまりコールオプションの売り手からすると、50円のプレミアムが手に入るものの、株価が大きく値上がりするほど損失が膨らむというリスクを負うことになるのです。

JEPQの利回りが高いのは、コールオプションの売りであるカバード・コール戦略によって得られるプレミアムが、組入銘柄から得られる配当に上乗せされることによって実現されていると考えられます。