投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、マネックス証券のデータをもとに解説。
マネックス証券の投信売れ筋ランキングの2026年7月のトップは前月と変わらずに「楽天日本株4.3倍ブル」だった。第2位には前月第3位に下がっていた「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)が上がり、前月第2位だった「SBI 日本株4.3ブル」は第3位に下がった。また、前月第6位だった「eMAXIS 日経半導体株インデックス」が第9位に下がり、第6位には「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」が上がり、トップ10圏外から「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)が第10位にランクインした。
※マネックス証券サイト内「ランキング一覧」の「月間売れ筋」に基づき編集部作成。期間は2026年7月1日~7月31日。
https://fund.monex.co.jp/rankinglist#MonthlySales
半導体関連株下落で国内株への高評価が冷める!?
マネックス証券の売れ筋ランキングでは楽天投信投資顧問が設定する「楽天日本株4.3倍ブル」が2025年9月から11カ月連続でトップを維持したものの、前月は第3位に上がったSBIアセットマネジメントが設定する「SBI 日本株4.3ブル」が第3位に後退し、代わって「オルカン」(三菱UFJアセットマネジメント)が第2位に返り咲くなど、過度な国内株への上昇期待が一服したといえる。また、前月はトップ10圏外から第6位に躍進した「eMAXIS 日経半導体株インデックス」(三菱UFJアセット)も第9位に落ちたのは、急伸した半導体関連株が一転して下落した7月の動きを映したものだ。
一方、外国株投資については7月30日、31日と連続して実施された日本政府・日銀による円買い為替介入の今後の影響が警戒される。31日は米財務省も加わって日米協調しての円買い・ドル売り介入だった。これによって7月下旬に1ドル=164円に接近していたドル円は8月3日には一時1ドル=155円台にまで円高が進んだ。この急速な円高の影響で、米「S&P500」など株価指数は月末月初にかけてプラスで推移していたにもかかわらず、「オルカン」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などの外国株式インデックスファンドの基準価額はマイナスになった。為替が一方的な円安・ドル高で進んできたため、外国株式投資は円安メリットを受けられることが当たり前に感じられてきただけに、円安を食い止めるために日米当局が協調した動きは無視できない。
ドル円は8月4日になって1ドル=157円台後半にジリジリと円安方向に戻りつつあるが、いつ再び円買い介入によって155円台に引き戻されるかもしれないと恐れながらの価格形成になっているようだ。しばらくは、為替介入を警戒しながら落ち着かない値動きが続きそうだ。
「WCM」と「世界のベスト」がランクアップ
為替市場で政府・中央銀行による「介入」のリスクが意識される一方で、中東におけるイランと米国の戦争の行方も不透明だ。交渉によって停戦するのか、さらなる戦争の拡大に進むのか、米国発のニュースは楽観と悲観が日替わりのように入り交じっている。投資環境としては極めて不透明な状態にあるといえる。
このように見通しが悪くなると、グローバルで市場を調査し、投資経験が豊富な運用者の投資判断が頼りにされる。マネックス証券の売れ筋で「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」(朝日ライフ アセットマネジメント)や「世界のベスト(毎月決算型)」(インベスコ・アセット・マネジメント)がランクアップした背景には、専門家の投資判断に頼りたいと考える投資家の期待がうかがえる。
「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」は7月のパフォーマンスがマイナス4.75%、「世界のベスト(毎月決算型)はプラス2.72%だった。短期のパフォーマンスにひかれた投資というより、中長期で市場の荒波を超えてきた経験が期待されているのだろう。このアクティブファンドへの期待感が、どの程度高まっていくのかも注目していきたい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

