資産運用の普及に伴い、全世界株式(オール・カントリー)をベンチマークとする投資信託が人気を集めています。その指標となる株価指数に採用されている個別株式に注目すれば、世界基準の厳しい選別を勝ち抜いた優良銘柄を効率よく見極めることが期待できます。本連載ではそんな株価指数の代表格であるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)の組入銘柄である日本株に着目。特定の領域で卓越したシェアを誇るグローバルニッチトップ企業にフォーカスします。第2回目は、半導体装置メーカーのディスコ。世界シェア8割を握る主力製品を武器に独自の技術力、組織力で収益力を強化する同社の秘訣に迫ります。

製造業の常識を覆す、高収益を生む「自前主義」

華やかなダンスフロアを連想させる「ディスコ」という社名ですが、そのルーツは1937年に広島県で創業した砥石メーカー「第一製砥所(Dai-Ichi Seitosho CO., Ltd.)」にあります。同社は砥石の極薄化・高精度化を追求する中で、一つの壁に直面します。それは、自らの砥石の性能を最大限に活かすための切断装置が世の中に存在しないという課題。「それなら自ら装置を開発すればよいのではないか――」。

この挑戦を契機に、現在では半導体製造工程における「切る・削る・磨く」という極めて精密な加工技術に特化し、世界を牽引するBtoBメーカーへと飛躍を遂げていきます。生成AIや電気自動車(EV)といった最先端テクノロジーの進化を根底で支え、製造業の常識を覆す卓越した高収益体質と市場からの厚い評価を誇る同社の全貌をひもときます。