資産運用の普及に伴い、全世界株式(オール・カントリー)をベンチマークとする投資信託が人気を集めています。その指標となる株価指数に採用されている個別株式に注目すれば、世界基準の厳しい選別を勝ち抜いた優良銘柄を効率よく見極めることが期待できます。本連載ではそんな株価指数の代表格であるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)の組入銘柄である日本株に着目。特定の領域で卓越したシェアを誇るグローバルニッチトップ企業にフォーカスします。第4回目は、半導体用フォトレジスト(感光性樹脂)で世界トップシェアを誇る東京応化工業(TOK)。「2030年度売上高3,500億円」という目標を掲げ、世界的な生成AI普及や半導体の微細化需要を足元から支える同社の強みに迫ります。
半導体用フォトレジスト世界級、経産省「グローバルニッチトップ企業100選」
私たちの身の回りの電子機器から、昨今急速に発展している生成AIまで、最先端のデジタル技術に不可欠な半導体。その製造プロセスにおいて「1ナノメートル(100万分の1ミリメートル)」という極小の世界を形作っているのが東京応化工業(TOK)です。
一般消費者向けの製品を持たないBtoBの化学メーカーでありながら、半導体用フォトレジスト(感光性樹脂)で世界トップクラスのシェアを誇り、経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」にも連続で選出されています。日本発の企業でありながら、世界のトップ半導体メーカーを顧客に持ち、グローバルな半導体サプライチェーンにおいて欠かせない存在として確固たる地位を築いている同社の好調の理由に迫ります。
海外売上比率80%超、世界シェア1位も
1940年に設立された東京応化工業は、半導体やディスプレイなどの微細加工に必要不可欠な材料である「エレクトロニクス機能材料」と、半導体製造工程で使用されるシンナーや現像液などの「高純度化学薬品」の開発・製造・販売を主力事業としています。また、これらの材料事業との相乗効果を活かし、ニッチ分野を開拓するプロセス機器などの装置事業も展開しています。
2025年12月期の連結売上高は2,370億円に達し、そのうちエレクトロニクス機能材料が1,247億円(前年度比16.0%増)、高純度化学薬品が1,094億円(同19.6%増)を占めています。同社の大きな特長は極めて高い海外売上高比率にあり、その比率は84.5%(台湾36.1%、中国20.5%、韓国12.8%、米国10.1%、その他4.9%)に達しています。
主力製品である半導体用フォトレジストにおいては、世界シェア24.7%を有しています。分野別に見ると、最先端のEUV(極端紫外線)用で28.0%(世界2位)、KrF(フッ化クリプトン)用で32.4%(世界1位)、g/i線(水銀光源)用で22.7%(世界1位)と、旧世代から最先端プロセスに至るまで高い競争力を示しています※。
※数値は2024年見込み出荷数量ペース
