6月12日に新規上場後、2日連続で約20%ずつ上昇したことで、上場2日目には時価総額が世界第5位の2.5兆ドルに達した「スペースX」(スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ)。IPOによる資金調達額が860億ドル(約13.76超円)を超える史上最大規模となり、創業者であるイーロン・マスク氏は人類史上初の「兆万長者(資産が1兆ドル超え)」になるなど、型破りの新規上場劇となった。
すでに上場後3営業日にして「スペースX」の時価総額は約2.77兆ドルに達し、「アマゾンドットコム」(約2.6兆ドル)を抜いて世界第5位に浮上した。「スペースX」の上場に関しては、マスク氏の他に投資家や同社の従業員の多くが大金を手にしたことが大きく伝えられているが、世界有数の巨大企業だけに、投資信託(ファンド)に与える影響も小さくない。具体的に、どんなファンドに影響が及ぶのだろう?
「Zテック20」が上場初日に組み入れ
まず、「スペースX」を6月12日の上場初日の終値(160.95ドル)で組み入れたと正式に発表したのが、「iFreePlus 世界トレンド・テクノロジー株(Zテック20)」(設定は大和アセットマネジメント)だ。同ファンドは、「世界のテクノロジー分野における構造変化を捉え、一定の基準(時価総額上位20銘柄)を満たす企業を機動的に組み入れることで中長期的な成長機会の取り込みをめざす」という方針に沿って、速やかに組み入れを実行したという。同じように、「iFreeレバレッジ Zテック20・2倍ブル」でも銘柄入れ替えを実施した。「Zテック20」の基準価額は6月12日に1万4711円だったが、6月15日に1万4763円、6月16日には1万5357円になっている。6月16日の基準価額は6月12日に対して4.39%高となっている。「スペースX」の組み入れ比率は時価総額加重ウエートで計算すると6.0%程度(6月12日終値ベース)と考えられ、上場後の株高が少なからず同ファンドの基準価額を押し上げたと考えられる。
受け付け停止も出た「スペースX」フィーバー
また、「スペースX」が上場する前から未公開株として「スペースX」を保有していた公募投信が「ベイリー・ギフォード世界成長企業戦略/SMT.LN外国投資証券ファンド(愛称:クロスオーバー・グロース)」(設定は三菱UFJアセットマネジメント)だ。同ファンドの筆頭組み入れ銘柄が上場前の「スペースX」だった。組み入れ比率は4月30日時点で17.9%だった。同ファンドは、「スペースX」の上場接近によって購入申し込みが殺到したため、6月3日に新規購入受付を停止している(6月1日に6月5日の停止をアナウンスしたものを繰り上げた)。購入受付再開のメドはたっていない。同ファンドの基準価額は6月12日に1万3154円だったものが、6月16日には1万3369円になっている。
そして、今後「スペースX」を組み入れる対象と考えられるのは「東京海上・宇宙関連株式ファンド」(東京海上アセットマネジメント)、「ニッセイ宇宙関連グローバル株式ファンド」(ニッセイアセットマネジメント)、「航空宇宙戦略グローバルファンド」(カレラアセットマネジメント)など、宇宙をテーマにしたアクティブファンドだ。それぞれのファンドマネジャーが企業分析、株価分析の上でファンドへの組み入れを判断することになる。