熱狂後の落ち着き先は? 第2四半期決算発表後は20%の売却も可

もっとも、「スペースX」の規模の大きさから、半ば強引に指数に組み入れることになったことが、必ずしも投資家にとってうれしいことと断言できるものではない。「スペースX」の株価は、上場後3日目(6月16日)に終値201.80ドル(高値225.64ドル)を付けたのをピークとして6月17日4.95%安、6月18日3.56%安と続落し、18日終値は185ドルになっている。IPO価格(135ドル)に対して3営業日で約67%高の水準に急騰したものの、ピークから2日で18%安と急落している。話題の株式だけにアップダウンも激しい。なにより、足元の企業業績は営業損失約25億ドルという赤字企業だ。ロケットの打ち上げ事業やAI向けの巨額の投資によって最終損失は49.37億ドルになっている。

しかも、上場当初は既存株主のロックアップ(売却制限)やIPOで応募した個人投資家には短期転売(フリッピング)規制がかかっているため、需給の圧迫要因がこれから顕在化してくる。たとえば、既存株主のロックアップ規制は、第2四半期決算の発表後に最大20%まで売却が可能となり、その後、上場後70日で7%まで追加売却可能など段階的に売却可能水準が引き上がり、上場後180日で売却制限がなくなる。IPOに応募した個人投資家は、上場後15日~30日以内に売却した場合は次回以降のIPOへの参加ができなくなるなどのペナルティが設けられている。

宇宙開発という将来の壮大な成長ストーリーは上場後の株価を押し上げる大きな魅力ではあるが、その熱狂が落ち着けば、収益の黒字化をどのタイミングで実現するのかなど、シビアな現実と向き合わなければならなくなる。期待値が大きく、上場後に大きく株価が跳ね上がった後だけに、今後、「スペースX」の株価がどの水準に落ち着いていくのか経緯を見守りたい。