NISAの普及もあり、話題にのぼることが多くなった投資信託。でも、一体どうやって選べばよいのでしょうか? 投信ライターの德永浩氏が、ちまたでなにかと比べられる投資対象や、対照的な2本の投資信託を比較・分析してそれぞれの特徴や強み、知っておくべきポイントを考察します。
高成長を狙う資産形成層にとって、高い経済成長が期待される新興国株は魅力的な投資対象です。今回は、人口大国インドと急成長国ベトナムという対照的な2国に集中投資するファンドである「イーストスプリング・インド株式オープン」と「CAMベトナムファンド」を比較します。
新興国“一点集中” 投資対象国の違いがすべてを決める
新興国に投資する醍醐味は、成熟した先進国にはない高い経済成長率を運用に生かすことです。新興国ならではの高い経済成長が確かに期待できる指標が「人口ボーナス」といえます。従属人口(14歳以下+65歳以上)に対する生産年齢人口の比率が2倍以上にある状態を「人口ボーナス期」といいますが、豊富な労働力供給によって貯蓄率が上昇し、消費市場が拡大することから経済が大きく伸びる時期にあたります。インドとベトナムはともに「人口ボーナス期」に入っています。ただ、「人口ボーナス期」のステージが異なり、その違いが両国経済の発展にも影響を与えています。
振り返ると、日本が「人口ボーナス期」に入った1965年は「いざなぎ景気」と呼ばれ、日本のGDPは西ドイツ(当時)を抜いて世界第2位の経済大国になりました。「一億総中流」という意識が高まり、大阪万博が1970年3月~9月に開催され、田中角栄首相の「日本列島改造論」がベストセラーになったのは1972年です。このような「人口ボーナス期」の前半に位置するのがインドです。
1985年から1995年は日本の「人口ボーナス期」の終盤にあたります。このタイミングを迎えているのがベトナムです。日本では1985年から1990年までは「バブル景気」に沸き立った時期でした。日経平均株価は1万3000円台から1989年末に3万8915円という歴史的な高値に進みました。東京の地価も1985年当時から1990年頃には3倍~4倍に値上がりし、不動産投機が過熱しました。
そんな「人口ボーナス期」に入っている2国に投資するファンドを比較してみます。
