中東情勢を受けた石油価格の高騰で、株式市場では不安定な動きが続いています。

そんな中、注目を集めているのが、「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏の動向。

バフェット氏といえば「割安な株を買い、できるだけ長期間保有する」投資戦略で知られていますが、バフェット氏は今の下落について「買い場」と見ているのでしょうか。つばめ投資顧問代表の栫井駿介さんが解説します。

※本記事は4/11につばめ投資顧問にて公開された「【2026年4月】バフェット最新見解!S&P500下落と50兆円の現金の行方」を編集の上、栫井氏による特別コメントを付して掲載しております。

バフェットは石油危機を予見していた?【特別コメント】

世界的なエネルギー価格の高騰を受け、投資の神様ウォーレン・バフェット氏による石油株への巨額投資が再び注目を集めています。オクシデンタル・ペトロリアムなどの銘柄を次々と買い増す姿に、「まるで今回の危機を予見していたかのようだ」と驚く声も多いですが、彼の投資行動を紐解けば、それは単なる「予測」の範疇を超えた、極めて一貫した原則に基づいていることがわかります。

世間に見放された「必要不可欠なもの」を拾う

バフェット氏の意図がどこにあるのか、その真実はご本人にしかわかり得ないことではありますが、これまでの彼の行動原則を振り返れば、今回の投資もそこから全く逸脱していないことが見て取れます。

彼の鉄則の一つは、「長期的に価値が失われないものが、不当に安くなっている時に買う」という極めてシンプルなものです。

近年、世界が「脱炭素」や「ESG」へと大きく舵を切る中で、石油関連企業は市場から敬遠され、多くの投資家に見放されてきました。その結果、株価は実態以上に低く放置されていたのです。

しかし、現実の社会を動かすエネルギーとして、石油は依然として不可欠な存在です。バフェット氏は、世間のトレンドに惑わされることなく、この「社会的な必要性」と「見放されたことによる割安感」のギャップに目をつけました。

彼にとって今回の投資は、石油危機を予見したというよりも、本質的価値があるものが過剰に安く売られていたから買った、という「いつもの判断」だったのではないでしょうか。

石油企業が持つ「価値の透明性」

また、石油企業はバフェット氏にとって、その価値を見積もりやすい対象でもあります。同氏はかつて中国のペトロチャイナへ早期から投資し、その後の株価上昇で莫大な利益を得ましたが、石油企業は埋蔵量や採掘コストから資産価値を比較的正確に算出しやすいという特徴があります。

バフェット氏は、自分の理解できる範囲で、価値に対して価格が著しく割安なものにだけ資金を投じます。今回のような石油価格の急騰という事象は、割安な資産を冷静に保有し続けた結果として後からついてきた、ある種の「必然を伴った偶然」と捉えるのが自然かもしれません。

私たちへの教訓:価格と価値のギャップを見極める

バフェット氏の投資から私たちが学ぶべきは、相場を当てる予知能力ではなく、世論に左右されずに「価値と価格の乖離」を冷静に見極める姿勢です。周囲が熱狂したり、あるいは特定のセクターを一方的に見放したりする時こそ、真のチャンスが眠っています。

私たちも表面的なニュースや流行に一喜一憂せず、自分自身の価値観を持って、本質的な価値を見つめる投資に向き合いたいものです。