6月1日、大手運用会社ピクテが「iTrustインド株式ファンドマネージャー来日特別セミナー」を開催。インド株運用チームのシニア・インベストメント・マネージャー プラシャント・コタリ氏が登壇し、中長期の投資機会と足元の市場回復の見通しについて解説した。

「3つのD」に支えられるインドの成長力

同氏は冒頭、インドが2023年に月に送り込んだ月面探査機、チャンドラヤーン3号のエピソードを紹介。この計画がわずか7500万ドルで実行された点に触れ、「科学技術力」「限られた資源で大きな成果を上げる文化」をインドの強みとしてアピールした。同様に、投資先としてのインドを語るときにも、成長率の高さだけではなく、「成長の質」や「コスト競争力」に注目する必要性を強調した。

同社はインドの高い成長力を支える構造的な強みを「3つのD」という言葉で表現している。これは人口動態(Demographics)、民主主義(Democracy)、規律(Discipline)の頭文字に由来したものだ。

コタリ氏は「それぞれが非常に力強い成長のドライバーになる」とした上で、「3つが組み合わさることで相互に作用し合い、持続的な成長、資本形成、そして長期的な複利的な成長を支える仕組みを形作っていく」と語った。

AI時代でもインドの優位性は続くのか

昨今、自動化やフィジカルAIの急速な進展により、インドの優位性を不安視する投資家も増えている。こうした懸念に対し、コタリ氏はインドの長期的な優位性は保たれると明言。「現在のヒューマノイドロボットのコストはおよそ15万ドル程度であり、これが最終的には6000ドル程度まで低下する」「自動化によって最初に代替されるのは北アメリカや中国など、相対的に人件費の高い地域の労働者」であると述べた。加えて「インドの人件費は現在でもおよそ2000ドル程度と、ヒューマノイドのコストを大きく下回っている」ことを補足し、相対的なインドの優位性は今後も長く続くとの見解を示した。