投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、楽天証券のデータをもとに解説。
楽天証券の投信売れ筋ランキングの2026年6月のトップ2は前月と同様にトップに「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、第2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。第3位には前月は第6位にまで順位を落としていた「楽天 日本株4.3倍ブル」が入り、前月第3位だった「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」は第4位に後退した。また、前月第4位だった「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」は第6位に下がり、第5位の「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」に順位を逆転された。トップ10圏外から「eMAXIS 日経半導体株インデックス」が第9位に、「SBI 日本株4.3ブル」が第10位にランクインした。
※楽天証券サイト「投資信託」「全銘柄ランキング(買付金額)」に基づいて編集部作成。期間:2026年6月1日~6月30日。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/find/ranking/ranking.html?term=m&target=all&age=all&x=114&y=5&type=500001&freqid=3&tget=1&group=all
キオクシア、アドバンテスト組み入れの「半導体」指数が爆上げ
楽天証券の2026年6月の売れ筋ランキングは、国内株式に対して「リスクを取ってでもリターンを狙う」というムードが高まった。ランキング第3位に躍進した「楽天 日本株4.3倍ブル」(設定は楽天投信投資顧問)や第10位にランクインした「SBI 日本株4.3ブル」(SBIアセットマネジメント)は、国内株式市場全体の日々の動き(日々の騰落率)のおおむね4.3倍程度となることをめざして運用する「レバレッジ型」(てこの原理を使って元手の何倍もの資金を動かせる手法)のファンドだ。単純に考えて、通常の国内株式投資と比較して4.3倍のリスクがある。
実際に「楽天 日本株4.3倍ブル」は、6月の月間騰落率はプラス13.91%だったが、5月末時点に対して6月8日にはマイナス17.76%の水準に一旦は沈み込み、そこから復調して6月22日には5月末比プラス39.21%に上昇した。6月22日の高値は6月8日の安値からプラス69.27%という高い上昇率になった。このようなダイナミックな動きを収益機会にしたいと考える投資家が増えたということだろう。日本株式に対する強気(株価の値上がりを期待する気持ち)が感じられる。
ランキングトップにある三菱UFJアセットマネジメントが設定する「オルカン」は6月1カ月間で0.74%上昇(前月は5.13%上昇、前々月は11.56%上昇)、第2位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(三菱UFJアセット)は0.31%上昇(同5.43%上昇、12.91%上昇)だった。米国株式を中心にグローバル株式の上昇は足踏み状態になってきた。楽天投信投資顧問の「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」は0.40%上昇(同10.52%上昇、18.83%上昇)だったが、大和アセットマネジメントが設定する「iFreeNEXT FANG+インデックス」は5.19%下落(同10.54%上%昇、22.86%上昇)とマイナスに転じている。
この中にあって三菱UFJアセットが設定する「eMAXIS Slim」シリーズの中で「日経平均株価」に連動する「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」は5.68%上昇(同11.90%上昇、8.19%上昇)と堅調だった。さらに、現在の国内株式をけん引している半導体関連株で構成された「eMAXIS 日経半導体株インデックス」(三菱UFJアセット)は24.06%上昇(同23.32%上昇、35.81%上昇)と異次元の強さになっている。
「eMAXIS 日経半導体株インデックス」は6月末時点で過去6カ月の騰落率が147.46%上昇、過去1年では238.26%上昇という結果になった。同ファンドは、東証に上場する半導体関連銘柄で時価総額が大きな30銘柄で構成される「日経半導体株指数」(トータルリターン)に連動する成果をめざすファンドで、5月末時点の組入上位銘柄はキオクシアホールディングス、東京エレクトロン、アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、ディスコなどとなっている。組入銘柄筆頭のキオクシアホールディングスの株価は、6月末時点で過去6カ月に759.42%上昇し、過去1年では3482.90%上昇している。米国半導体株の代表銘柄エヌビディアが6カ月で7.29%上昇、1年で26.65%上昇となっていることとケタ違いの上昇率だ。
米国株式に対し出遅れているといわれてきた日本株式が一昨年以降は、急速に盛り返して過去1年では日本株式が米国株式を圧倒するほどに上昇している。この日本株式優位の展開がどこまで続くのか注目していきたい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

