投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、常陽銀行。

常陽銀行の投信売れ筋ランキング(販売件数)の2026年5月のトップは前月第2位だった「日経225ノーロードオープン」だった。前月トップだった「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2026-04(愛称:ぜんぞう2604)」は第2位に後退した。第3位には前月第4位の「のむラップ・ファンド(積極型)」、第4位には前月第5位の「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)(愛称:ネクスト・ジェネレーション)」が上がった。また、前月第8位から「インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式)」が第5位にジャンプアップした。前月第3位だった「のむラップ・ファンド(普通型)」は第6位に落ちた。トップ10圏外から「ノムラ・ジャパン・オープン」が第9位にランクインした。

 

※常陽銀行サイトの投資信託ランキング一覧から「販売件数ランキング」の「2026年5月」のデータに基づいて編集部作成。
https://www.joyobank.co.jp/personal/invest/toshin/ranking.html

「日経225」がトップに返り咲き、「WCM」「NASDAQ」も人気化

常陽銀行の投信売れ筋(販売件数)ランキングのトップにアセットマネジメントOne が設定する「日経225ノーロードオープン」が戻ってきた。同ファンドは、4月の限定追加型の「ぜんぞう2604」(設定はあおぞら投信)、また、今年1月に「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」(ピクテ・ジャパン)にトップを譲ることがあっても、過去1年にわたっておおむねトップの座を占める常陽銀行の主力ファンドといえる存在だ。その点では、「日経平均株価(日経225)」が6月になって7万円台の史上最高値を更新している現状は、「日経225ノーロードオープン」に継続して投資してきた投資家に多くの含み益をもたらしている。

「日経225ノーロードオープン」のリターンは、2026年5月末時点において過去1年間で76.63%に達している。これは、代表的な米国株「S&P500」インデックスファンドの43.15%や「全世界株式(オール・カントリー)」インデックスファンドの43.69%を大きく上回っている。

常陽銀行の売れ筋の中核を担っているのは、「ぜんぞう」や「のむラップ・ファンド」(設定は野村アセットマネジメント)といった内外の株式や債券に分散投資するバランス型ファンドだ。資産を守ることに軸足があり、第一にはインフレ(物価上昇)による資産価値の目減りを防ぐために、国内のインフレ率よりも高い資産成長をめざす。そのために株式などのリスク資産にも投資しているが、その株価が下がる局面にあっては、債券等への投資によって下落率を抑制することも意図している。加えて、「ぜんぞう」シリーズでは、購入時の株価変動リスクを軽減するために、設定当初はグローバル株式おおむね5%、先進国債券おおむね95%というポートフォリオから、毎月5%ずつ株式の比率を高めて1年をかけてグローバル株式おおむね60%、先進国債券おおむね40%というポートフォリオを完成する。さらに、基準価額が15%上回った段階で利益確定して先進国債券100%(為替ヘッジあり)で償還まで運用する。

この安定運用をめざす主力のファンド群に加えて、積極的なリターンをめざしているのが「日経225ノーロードオープン」や5月にランクインした「ノムラ・ジャパン・オープン」(野村アセット)などの国内株式ファンド、そして、「ネクスト・ジェネレーション」(朝日ライフ アセットマネジメント)や「インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式)」(アモーヴァ・アセットマネジメント)などの外国株式ファンドだ。

アクティブファンドの「ノムラ・ジャパン・オープン」は過去1年間のリターンが91.27%とインデックスファンドの「日経225ノーロードオープン」を上回っている。外国株ファンドでは「インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式)」が1年間で56.70%のリターンと、アクティブファンドの「ネクスト・ジェネレーション」の49.21%をやや上回っているが、過去3年では「ネクスト・ジェネレーション」は204.74%と「インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式)」の140.55%を大きく上回っている。

5月のランキングではバランス型ファンドを抑えて株式ファンドの人気が高まった。米国とイランの間で停戦を巡る協議が進み、中東情勢の緊迫が緩和される動きとなったことで、日米の株価が大きく上昇した流れを好感し、「リスクテイク」に軸足が移ったということだろう。

執筆/ライター・記者 徳永 浩