投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、福岡銀行。

福岡銀行の売れ筋(店頭販売件数ランキング)の2026年5月は、トップが前月第6位だった「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」になった。また、第3位にトップ10圏外から「世界半導体関連フォーカスファンド」がランクインするなど半導体関連株ファンドの人気が高まった。第4位には前月第7位だった「netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(H無)」が上がった。一方、前月トップだった「三井住友・配当フォーカスオープン」は第2位に後退し、前月第2位だった「ストックインデックスファンド225」は第10位に落ちるなど、日本株ファンドに対する人気が後退した。前月第3位だった「三菱UFJ純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」も第6位に後退した。

 

※福岡銀行サイトのファンドランキング、「店頭販売件数ランキング」に基づいて編集部作成。評価日は2026年5月31日現在。
https://awc.wealthadvisor.jp/webasp/fukuokabank/

「半導体」関連のアクティブファンド

福岡銀行の2026年5月の売れ筋(店頭販売件数)のトップに立った「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」(設定は野村アセットマネジメント)は、世界各国の半導体関連企業の株式を投資対象とし、各国・地域のマクロ経済見通し等を考慮しつつ、技術力、価格決定力、利益構造、財務内容などの観点からファンダメンタルズ分析を行い組み入れ銘柄を決定するアクティブファンドだ。ベンチマークを「MSCI All Country World Semiconductor & Semiconductor Equipment(税引後配当込み・円換算ベース)」としている。

ベンチマーク指数のFactSheet(2026年5月29日)を確認すると、指数構成銘柄(106銘柄)の上位は、NVIDIA(構成比率30.85%)、BROADCOM(12.10%)、TSMC(11.14%)、MICRON TECHNOLOGY(6.57%)、SK HYNIX(5.08%)などとなっている。「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は5月29日現在の組入銘柄数が26銘柄、NVIDIA(純資産比率28.9%)、BROADCOM(17.6%)、TSMC(13.8%)、ASML(6.9%)、MICRON TECHNOLOGY(5.7%)などとなっている。組み入れ銘柄の顔ぶれは同じようだが、ポートフォリオへの採用・不採用、また、組入比率などは運用者の判断によって違いがある。

売れ筋の第3位にランクインした「世界半導体関連フォーカスファンド」(SBI岡三アセットマネジメント)も世界の半導体企業から、技術革新や業界のサイクルを分析して高成長領域を絞り込み、独自のファンダメンタルズ分析によって組み入れ銘柄を決定するアクティブファンドだ。実質的な運用は米NYが発祥のグローバル運用会社ニューバーガー・バーマン・インベストメント・アドバイザーズが行っている。5月29日時点での組入銘柄数は44銘柄で、MICRON TECHNOLOGY(9.7%)、ADVANCED MICRO DIVICES(6.1%)、WESTERN DIGITAL(5.1%)、LAM RESEARCH(5.1%)、INTEL(4.3%)などとなっている。

2026年5月末時点でのパフォーマンスをみると、「MSCI All Country World Semiconductor & Semiconductor Equipment(税引後配当込み・円換算ベース)」が1カ月で15.6%、1年で143.1%のところ、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は1カ月で11.1%、1年で140.4%だった。「世界半導体関連フォーカスファンド」は1カ月で31.4%、1年で257.7%と圧倒的な成績になっている。半導体関連の中でも銘柄選別によって運用成績が大きく異なってくるのは、当然ながら、業界内にあっての勝ち組・負け組の差が明確になってきているためといえる。

特に半導体関連は4月から、5月にかけて大きく値上がりした。半導体業界に特有のシリコン・サイクルといわれる業績の波はおおむね5年で1回転しているが、その経験則を当てはめると2027年はボトムをつけにいくタイミングになる。足元の好調なパフォーマンスがどこまで続くものであるのか、当面は目を離せない存在になりそうだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩