今年、井出子商事に入社した新入社員の新 米子(しん・まいこ)。人事総務部に配属され、確定拠出年金(DC)の担当を任されることに。早速、先輩社員の部手蘭丸(べて・らんまる)から、iDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)についての理解を深めるよう指示を受けるが、当の蘭丸は早々に具合が悪いと言い残して医務室へと消えてしまう。途方に暮れる米子の前に登場したのが二人の上司である人事総務部長の井出小太郎(いで・こたろう)。早速、米子は戻ってきた蘭丸とともに井出による新(真・シン)iDeCoゼミナールを受けることに。今回は「50代のiDeCo活用」について。
老後生活の全体像をイメージしてiDeCoの活用を考える
蘭丸 井出さん、ちょっと質問をいいですか?
井出 どうぞ、何でも聞いてください。
蘭丸 先日、営業部の五十路(いそじ)さんから「50代でiDeCoに入るのはどうなのか?」って聞かれたんですよ。その時は「それぞれの人生ですから、私からはお答えできかねる」という旨を伝えたのですが、「それなら井出部長に聞いておいてくれ」と頼まれてしまって…。どうも、「50代になってそろそろ先が見えてきた? 給与は今がピークだろうし、転職は最後のチャンス? そもそも何歳まで働く? 定年後は再雇用? 異業種へ? セカンドライフは? 老後資金は足りるのか?」とかいろいろ悩みがあると仰るので、提携している産業カウンセラーの相談窓口を紹介したんですが…。
井出 50代…いろいろありますよね。産業カウンセラーさんを訪ねる前に、こちらでお伝えできる点が多々ありますね。まずはiDeCoに関してですが、50代でiDeCoに入る意味…ひと言で言えばセカンドライフに向けて、「老後資金は足りるのか」という話ですが、足りなければ今からでも資産形成を始めましょう、とお伝えしたいですね。iDeCoも選択肢の一つになるでしょう。老後に必要な金額にもよりますが、50代から始めても一定の金額なら間に合うのではないでしょうか。ただし、前提条件があります。
蘭丸 前提条件?
井出 今の世の中、65歳まで働くことが基本的にはスタンダードになってきています。例えば60歳定年の企業は多いものの、継続雇用制度などによって60歳で辞める人は少ないのが実情です。まず、公的年金が支給される65歳まで働くことを前提に老後生活に必要な金額を考えてみる必要があります。
米子 老後に必要な金額って、人によって違いそうですよね。自分が65歳以降、どういう生活をするのかイメージは持っておくべきだと。
井出 そうなんです。その必要な生活費を補うのにまずは公的年金。プラスして働く、それから自分の年金を自分で作るiDeCoのほかに、企業年金があれば企業年金、それから貯めてきた保有資産を取り崩す。これらの資金をどうやって組み合わせるかが肝なんです。
蘭丸 よく聞く、「ライフプランシミュレーションをやってみましょう」という話ですね。
井出 そんなに大げさでなくていいんですよ。まずはシンプルにどんな生活がしたいか、実現するために収入は足りるか、先ほどの資金の組み合わせを考える。スタートしてみてバランスが取れない、つまり自分のしたい生活に収入のめどがつかなければ、その時は何かを諦める。あるいは資産形成をするか、働いて補うか。
米子 要は諦めるか、頑張るかのどちらかですよね。
50代からのiDeCo活用の考え方
iDeCo の活用を考えるには、まず老後生活の全体像をイメージすることが大事!
①65歳まで働くことがスタンダードとなってきているので、老後生活を65歳以降として考える
②老後生活に必要な金額は人により異なるが、自分自身の必要生活費はイメージしておきたい
③必要な生活資金を賄うには、「公的年金」「給与」「自分年金/iDeCo」「企業年金」「保有資産」をどのように組み合わせるか
↓
・50歳時点では、大げさで細かいライフプランシミュレーションは必要ない
・自分の老後生活をイメージして、それが実現可能な収入の組み合わせをシンプルに考えることから始めればよい
→バランスが取れなければ、「諦める」か「頑張る」かの究極の選択が待っているだけ
