投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、ゆうちょ銀行・郵便局。

ゆうちょ銀行・郵便局の売れ筋(販売金額・1カ月)の2026年3月のトップは前月と同様に「大和ストックインデックス225ファンド」だった。前月第2位だった「iFree S&P500インデックス」は第3位に後退し、「つみたて日本株式(TOPIX)」が第2位に上がった。「つみたて全世界株式」が第5位に後退し、「つみたて先進国株式」が第4位に上がった。また、第6位には「JP4資産均等バランス」が上がり、「野村世界6資産分散投信(成長コース)」は第7位に後退。「JP4資産バランスファンド 成長コース」が第8位、「野村6資産均等バランス」が第9位に上がった。

 

※ゆうちょ銀行サイトのファンドランキングの「販売金額」「1カ月」に基づいて編集部作成。対象期間:2026年3月1日~3月31日。
https://qw159.qhit.net/jp-bank.japanpost.jp/qsearch.exe?F=tp/fundRanking

海外株から日本株への流れは意外に大きなものに!?

ゆうちょ銀行・郵便局の2026年3月の売れ筋ランキングでトップ2を日本株インデックスファンドが占めた。2024年5月以降は大和アセットマネジメントが設定する「iFree S&P500インデックス」がトップに定着(2025年5月だけは期間限定販売だった「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券ファンド2025-05(限定追加型)」(HSBCアセットマネジメント)がトップ)するなど、外国株式インデックスファンドが上位を占めていたが、3月には日本株優位に転換したようだ。

この人気転換は各株式市場のパフォーマンスの違いが大きく影響していると考えられる。ランキングトップの「大和ストックインデックス225ファンド」(設定は大和アセットマネジメント)は2026年3月末時点で過去1年間のリターンが45.08%になる。第2位の「つみたて日本株式(TOPIX)」(三菱UFJアセットマネジメント)は34.39%だ。これは、米国株インデックスファンドである「iFree S&P500インデックス」の22.62%、日本を除く先進国株インデックスである「つみたて先進国株式」(三菱UFJアセット)の23.61%、新興国を含む全世界(日本を含む)の株式インデックスである「つみたて全世界株式」(三菱UFJアセット)の25.59%を大きく上回っている。

外国株式投資には、株価の変動以外に為替の変動もリスクに加わる。これまでは、米国株高主導で世界の株価が上がり、かつ、円安方向に為替も動いてきたために、外国株ファンドへの投資は大きなリターンが得られてきた。しかし、米国株については一部の大型ハイテク株に人気が集中したために「割高」という指摘が強く、また、為替も日銀の利上げ姿勢によって一方的な円安が是正される動きにある。むしろ、国内企業は、東証の要請などを受けて株主還元を積極化するなど株価を意識する経営が浸透してきており、中長期的に一段と魅力的な投資対象に変わっていくという期待が高まってきている。

ゆうちょ銀行・郵便局で売れ筋の上位に株式インデックスファンドが並んでいるのは、毎月一定額を継続的に投資していく「積立投資」を行う人が多く、低コストで投資することができるインデックスファンドが好まれている側面があると推測される。1年程度の期間ではなく、5年、10年という中長期の投資プランにのっとった銘柄選択が行われていると考えられるため、ランキングの順位変動も大きくはならない。それでも日本株の投資魅力の向上、そして、一方的な円安トレンドの転換という動きは中期的な投資環境の変化ともいえ、外国株から国内株へという選択の変化は比較的大きな流れになるのかもしれない。

バランス型はやや保守的な「4資産」優位か

一方、ランキングで第6位以下のバランス型ファンドについては、やや「4資産」に投資するファンドが順位を上げ、「6資産」が順位を下げているような傾向がある。「4資産」と「6資産」の違いは、「4資産」の方が債券への投資比率が高く、ポートフォリオとしてはやや保守的な性格が強い。また、「6資産」には「不動産」が加わるためにリスク資産が株式と不動産に分散されている。

米国とイスラエルが2026年2月末にイランを空爆して以来、1カ月以上にわたって中東情勢が緊迫化し、原油や天然ガスといったエネルギー価格が上昇するという事態になっている。依然として紛争終結の道筋が見えないだけに、リスクを抑えたバランス型ファンドへの需要は強まっていると考えられる。

執筆/ライター・記者 徳永 浩