投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、野村證券。
野村證券の投信(ファンド)人気ランキング2026年2月の買付金額トップは前月と同様に「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i 日経225)」だった。同ファンドは2025年10月以来6カ月連続でトップをキープしている。第2位には前月第6位だった「eMAXIS 日経225インデックス」が浮上した。また、トップ10圏外から第5位に「ノムラ・ジャパン・オープン」、第9位に「情報エレクトロニクスファンド」がランクインするなど、国内株ファンドの人気が高まっている。一方で米国株ファンドの人気は衰え、「eMAXIS S&P500インデックス」は前月の第5位から第7位に後退し、前月第8位だった「フィデリティ・米国株式ファンドDコース(分配重視型・為替ヘッジなし)」、第9位だった「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」、第10位だった「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」はトップ10から落ちた。
※野村證券サイト「投資信託(ファンド)人気ランキング」の「買付金額トップ10」に基づいて編集部作成。期間:2026年3月1日~3月26日。
https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/frankht1.asp
日経平均をアウトパフォームする野村の長寿アクティブファンドが上昇
野村證券の3月の売れ筋トップの「Funds-i 日経225」(設定は野村アセットマネジメント)は、連動する「日経平均株価」が下落したことを映して1カ月間で12.67%の下落となった。一般に高値から10%以上も下落すると「調整局面」に入ったといわれ、高値奪還まで数カ月を要することから人気が衰えるものだが、同ファンドの人気は変わらなかった。加えて、前月第6位だった三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS 日経225インデックス」が第2位に浮上。価格は下落したにもかかわらず国内株インデックスの人気が高まっていることがわかる。
さらに、前月はトップ10圏外だった日本株アクティブファンドが3月のトップ10にランクインしている。インデックスファンドだけでなく、アクティブファンドまで選ばれているところには、積立投資など長期の目線での投資だけではなく、「国内株」を選んで投資するという投資家の意向が感じ取れる。
第5位にランクインした「ノムラ・ジャパン・オープン」は、1996年2月の設定から30年以上の運用実績がある野村アセットマネジメントの旗艦といえる国内株アクティブファンドだ。運用のコンセプトは「臨機応変」と「メリハリ」、変化対応型ファンドとしており、変化の中で生まれる新たな事業機会から今後の利益成長が期待できる「成長企業」、また、成熟産業の中でも「勝ち残り企業」を選んで投資する。さらに、大幅な株価上昇が期待できる企業にも躊躇なく投資してファンド全体のパフォーマンスを引き上げることを狙う。設定来の騰落率は331.3%で「TOPIX(東証株価指数)(配当込み)」の280.6%を上回っている。特に、過去3年ではファンドが135.1%に対して「TOPIX(配当込み)」は87.4%など近年のパフォーマンスが優れている。
また、第9位にランクインした「情報エレクトロニクスファンド」(設定は野村アセットマネジメント)は、設定が1984年2月と、すでに設定来40年以上の運用実績があるファンドだ。国内株式の中の情報エレクトロニクス分野の企業群に特化した運用を行っている。設定当初の1980年代は日本電気、日立製作所、東芝が世界の半導体業界でトップ3を占め日本が半導体王国といわれたが、インターネット時代を迎えて米系企業の台頭を許しながらも高い技術力でグローバルに活躍できる国内企業を選び抜いて投資をしている。2026年3月末時点の設定来騰落率は1090.1%であり、日経平均株価(配当込み)の40年間の約400%などを大幅に上回る成績を残している。
この2本のアクティブファンドは3月の下落局面では「ノムラ・ジャパン・オープン」がマイナス11.78%、「情報エレクトロニクスファンド」はマイナス12.80%と日経平均株価と同等の下落率になった。ただ、たとえば「ノムラ・ジャパン・オープン」は3月のようなリスク回避局面では相対的に安定した利益成長が期待できる「勝ち残り企業」への投資比率を増やすことで値下がりを抑える効果が期待できる。また、「情報エレクトロニクスファンド」のように高い利益成長が期待できる企業群に投資する場合でも、株価の下落局面で下落率を抑制するポートフォリオへの組み替えは可能だ。アクティブファンドが選ばれたのは、先行き不透明な環境になっているだけに、運用担当者の対応力に期待したのかもしれない。
ただ、足元の株式市場は、米国とイランが2週間の停戦で合意したというニュースを受けて株価が急反発。4月8日に日経平均株価は2月27日の高値を更新し、5万6000円超えの史上最高値を付けた。一気に新しいステージに入ったことになる。野村證券の3月の売れ筋ランキングで順位を上げた国内株ファンドへの投資は見事に的中したことになった。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

