投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、千葉銀行。
千葉銀行の月間売れ筋(店頭月間販売件数)ランキングの2026年4月のトップは前月第2位だった「分散名人」が上がった。前月第3位だった「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」が第2位に、前月第4位だった「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が第3位に上がった。第4位には前月第7位だった「日本株好配当ファンド(年1回決算型)(愛称:配当名人)」が上がった。前月トップだった「アムンディ・日経平均オープン」は第5位に後退した。トップ10圏外から第6位に「グローバル株式ファンド(愛称:The GDP)」、第8位に「ラサール・グローバルREITファンド(1年決算型)」がランクインした。
※千葉銀行サイトのファンド・基準価額一覧のランキング「店頭月間販売件数」に基づいて編集部作成。2026年4月末基準。
https://test.t2.jiji.com/linkbox;?area=BODY&FWCS=monkey&pageID=LB0987_FUND_RANKING&userID=chiba-bk_v3
「ゴールド」を選択する理由とは…
千葉銀行の投信売れ筋(店頭販売件数)ランキングでは「金(ゴールド)」に投資するファンドが依然として第2位、第3位という最上位にランクされていることが特徴だ。他の販社の多くで「金」はトップ10の下位か、トップ10圏外に落ちてしまっている。特に、イラン紛争が始まった2026年3月以降には金価格も上昇の勢いを欠いてしまっていることから、売れ筋ランキングではランクダウンするところが増えている。
そもそも「金」を主たる投資対象にしたファンドが売れ筋ランキングに入るようになったのは2025年からだ。大手ネット証券のランキングを振り返ると、2025年1月にSBI証券で「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」(SBIアセットマネジメント)が第9位にランクインし、以降は「ゴールドファンド」がトップ10に定着する動きになった。楽天証券では2025年10月に「三菱純金ファンド」(三菱UFJアセットマネジメント)が第9位にランクインしている。
そして、金の現物を投資対象にした「ゴールドファンド」の基準価額を振り返ると、2019年6月頃までは低迷していたものの、2019年後半からジリ高となり、2020年3月のコロナショック以降に価格が右肩上がりで上昇し始めた。2025年6月以降に価格の急騰局面を迎えている。価格のピークは2026年1月だ。この金価格の上昇を受けて、「ゴールドファンド」が投信の売れ筋としても浮上した。SBI証券では2025年12月から2026年2月初旬(週間ベース)までトップ10の第3位に「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」が入っていた。ところが、その後の金価格の下落で人気が落ち、直近のランキングでは第9位になっている。楽天証券では「三菱純金ファンド」の人気は盛り上がらず、2026年2月以降はトップ10に純金ファンドは入っていない。
「金」には、「債券」の利息や「株式」の配当に相当するインカム収益がない。保有しているだけでは収益を生まないために、投資して収益になるのは価格が上昇して購入時よりも高い価格で売却できた時だけだ。このため、価格が2026年1月の5354ドル(NY金先物)から3月に4376ドルに18%強下落し、5月下旬になっても4500ドル台でもみ合っている状態だ。価格変動だけが投資収益の源泉になるにもかかわらず、価格上昇の期待が後退すれば、人気が衰えるのが当然ともいえる。それでも千葉銀行で「金」が人気を保っているのは、株式市場や債券市場など伝統的な市場の先行き不安を投資家が強く感じているのかもしれない。
新たなグローバル株投資の選択肢になる「The GDP」
4月にトップ10にランクインした「グローバル株式ファンド(愛称:The GDP)」(設定はスカイオーシャン・アセットマネジメント)は、日本、新興国を含む世界の株式に投資するファンドで、日本株、日本を除く先進国株、新興国株の組み入れ比率を世界全体のGDP(国内総生産)総額の比率に基づいて決定している。2026年4月末時点の組み入れ比率は、国内株が3.88%(基本組入比率4.0%)、先進国株(日本除く)が53.10%(54.0%)、新興国株が42.09%(42.0%)という比率だ。全世界株式(MSCI ACWI)連動型インデックスファンドの国内株4.9%、先進国株式(除く日本)83.0%、新興国12.1%と比較すると、新興国への投資比率が圧倒的に大きい。新たなグローバル株式投資の選択肢として注目される存在だ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

