投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、野村證券。
野村證券の投信(ファンド)人気ランキング2026年4月のトップは前月と同様に「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i 日経225)」だった。同ファンドは2025年10月以来7カ月連続でトップをキープしている。第2位には前月第4位だった「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」が、第3位には前月第7位だった「eMAXIS S&P500インデックス」が上がった。前月第2位だった「eMAXIS 日経225インデックス」は第5位に後退し、前月第3位だった「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」が第4位になった。また、トップ10圏外から第8位に「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」、第9位に「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」がランクインした。国内株ファンドが順位を落とし、米国を中心とした外国テクノロジー株人気が復活している。
※野村證券サイト「投資信託(ファンド)人気ランキング」の「買付金額トップ10」に基づいて編集部作成。期間:2026年4月1日~4月26日。
https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/frankht1.asp
「米国テクノロジー株」人気が戻る
野村證券の4月の売れ筋トップは野村アセットマネジメントが設定する「Funds-i 日経225」になったが、前月は第2位だった三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS 日経225インデックス」が第5位に後退し、野村アセットの「ノムラ・ジャパン・オープン」も第5位から第6位に後退するなど、日本株人気が衰えている。パフォーマンスをみれば、「Funds-i日経225」は4月の月間で基準価額は16.07%上昇し、「ノムラ・ジャパン・オープン」も12.92%上昇するなど、三菱UFJアセットが設定する「eMAXIS S&P500インデックス」の12.88%を上回ったにもかかわらず、人気順は逆転した。
株価が上昇する動きを受けて、再び「半導体株」や「AI関連株」、「宇宙関連株」など、米国の大型テクノロジー株を主軸に置いた外国株式ファンドに人気が戻ったのは、「長期の資産形成には外国株式ファンドの方がふさわしい(日本株ファンドより外国株ファンドの方がパフォーマンスで優位)」と考える投資家が少なくないことを示しているようにみえる。それほど「失われた30年」といわれた日本株の低迷のイメージは強烈だったといえ、一方で、「ChatGPT」などに代表される米国発のAI関連産業への高い成長期待の印象が強いのだと考えられる。
4月に人気ランキングの順位を上げたファンドのパフォーマンスをみると、第2位に上がった野村アセットの「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は1カ月で29.43%上昇して明らかな優位性を示した。しかし、第8位にランクインした東京海上アセットマネジメントの「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」は12.97%上昇、第9位にランクインしたアライアンス・バーンスタインの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は13.51%上昇と際立った成績とはいえない。期待先行で人気化しているのかもしれない。
史上最高値を更新した日米株価の行方は?
イラン紛争によって3月は世界の株価が下落した。そして、和平に向けた協議が始まり紛争終結への期待が高まったことで4月の株式市場は全般に反発。4月15日には「S&P500」と「NASDAQ総合」が史上最高値を更新し、紛争前の水準を超えて株価が上昇した。そして、「日経平均株価」も4月16日に史上最高値を更新した。5月に入っても日米の株価は史上最高値を更新して株価上昇の勢いをキープしている。米国株価の好調は半導体関連企業などの決算の好調さがあった。その米国半導体株の好決算に力を得て、日本の東京エレクトロン、アドバンテストなどの半導体関連銘柄の株価も上昇し、「日経平均株価」の6万円台乗せが実現している。
日米株価の上昇はトレンドとして定着するのだろうか? 4月に日本株ファンドには株価上昇に伴う「利益確定売り(解約)」が多く出た。イラン紛争も終結への道筋が見えない中、軍事攻撃の準備が進んでいると伝えられている。当面は神経質な展開が続きそうだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

