個人投資家が「バリュエーションの歪み」を見抜き、銘柄選定に活かす視点を養う新連載。初回は国内最大規模の株式公開買い付け(TOB)へと発展した豊田自動織機の事例を検証する。アクティビストはどう動き、価格はなぜ動いたのか。その構造を読み解くことで、次に注目すべき銘柄の条件が見えてくる。
トヨタを動かしたエリオットの論理
2025年6月、トヨタグループが豊田自動織機を非公開化すると発表した。買収総額は約5兆9000億円ともいわれ、日本企業同士のM&Aとしては史上最大規模とみられる。
最初に提示された買付価格は1株1万6,300円だった。ところがそこから約9カ月、価格は2度にわたって引き上げられ、最終的には2万600円で決着した。当初比で26%の上昇だ。
この価格を動かしたのは、米国のアクティビストファンド「エリオット・マネジメント」だった。

