株式投資で成功する秘訣は「安い時に買い、できるだけ長期にわたり保有する」こと。ただそれが分かっていても、なかなか実行できないという方も多いはず。
暴落すると含み損が怖くなって損切りしてしまう。ポジションを取り過ぎてせっかくの買い時に資金が残っていない……。
そんな個人投資家にありがちなミスをどうやって回避すればいいのか。つばめ投資顧問代表の栫井駿介さんが解説します。
※本記事は3/28につばめ投資顧問にて公開された「【インデックスに勝つ】元銀行員が実践!長期個別株投資で5年で資産を2倍にした「暴落買い」の極意」を編集の上、栫井氏による特別コメントを付して掲載しております。
5年で資産を2倍にした「暴落買い」の極意【特別コメント】
株式投資において、「暴落時に備えて現金をどの程度残しておくべきか」という問いは、多くの個人投資家が直面する資産運用における根本的な疑問です。
暴落時に優良な資産を安く買うには当然現金が必要ですが、現金のまま多くを保有し続けると、平常時の相場上昇に乗れず投資の機会損失になってしまいます。この永遠のジレンマに対する答えは「万人に共通する一律の基準」ではなく、投資家個人のライフステージや状況に大きく依存します。
投資の基本原則と、相場の見極め
大前提として、資金は少しでも早く・多く投資に回したほうが資金効率が高くなることは、名著『Just Keep Buying』などでも広く述べられているセオリーです。
しかし、個別株などを見たときに「明らかに投資チャンスがない」と感じられるほど割高な相場環境であれば、無理に投資し続ける必要はありません。投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏も、相場が高値圏にある時は現金比率を高め、来るべきチャンスに備えています。
【現役世代】キャッシュフローを活用する
現在お仕事をされており、毎月の収入から余裕資金を継続して捻出できる投資家であれば、普段から過剰に「投資待機用の現金余力」を意識する必要はないでしょう。いざ暴落が起きた際には、毎月捻出される資金から順次投資へ回していけばよいからです。
一つの目安として「生活費の3ヶ月分」を余裕資金(生活防衛資金)として規定しておき、千載一遇の暴落時にはそこから一時的に投資に回すという柔軟な行動をとるのも、理にかなった戦略と言えます。
【リタイア世代】絶対額で安心を確保する
一方で、すでに引退されて定期的な労働収入がない方などは、現役世代よりも現金比率を意識した運用が求められます。この水準は当然自分で決めるべきことですが、資産全体の割合(パーセンテージ)よりも「想定される出費の絶対額」を基準にするとよいでしょう。
具体的には、日々の生活費に加え、急な入院費や想定される旅行費など「今後1年間で想定される臨時的な出費も含めた金額」を確保しておくことをおすすめします。これにより、暴落時でも慌てて資産を取り崩すことなく、心穏やかに過ごすことができます。
まとめ:「平常時」と「緊急時」の色分けを
要するに、優れた資金マネジメントとは「平常時」と「緊急時」を分けて考えておくことです。
平常時に手元に置いておくべき資金と、緊急時(実生活のピンチや、相場の暴落という投資のピンチ&チャンス)に投下すべき資金を分けて考えることが、この問題に対する一つの解決策になります。まずはご自身の現状を見つめ直し、これを考える糸口とすることで、結果としてあなたの大切な資産を上手にマネジメントすることにつながるはずです。
