金融のプロが「短期売買の罠」を脱するまで
※レポート本編では、つばめ投資顧問の会員で、2019年から資産を2倍にした「億ちゃん」の事例をご紹介します。
億ちゃんが個別株投資を志したきっかけは、非常に明確なものでした。
それは、市場平均であるインデックスを上回る収益、いわゆる「アルファ」を取り、できるだけ早く大きなお金を手に入れ、「FIRE」を目指す、というものです。
彼は大学時代にコーポレートファイナンスを学び、銀行に就職した経歴を持つ、いわば「金融のプロ」に近い知識の持ち主でした。
しかし、そんな彼でも最初から成功したわけではありません。
銀行員時代には付き合いで投資信託を買わされたり、自分でも2.5倍から3倍のレバレッジをかけた「ブルベアファンド」で短期的な売買を繰り返したりしていました。
最初はビギナーズラックで勝つこともありましたが、長続きはせず、結局は「丁半博打」のような投資になっていたと振り返ります。
こうした失敗を経て、彼は旧知の仲であった私と共に、真の意味での資産形成を目指して個別株投資の世界へ飛び込みました。
長期個別株投資の絶対ルール
長期投資の世界に入った億ちゃんがまず直面したのは、それまでの金融知識とは異なる「長期投資のルール」を学び直す必要性でした。
そこで最も強調されたのが、「暴落の時に狼狽売り(パニック売り)をしない」「長く持ち続ける」という極めてシンプルな原則です。
多くの投資家にとって、これは単なるお題目のように聞こえるかもしれません。
しかし、7年間このルールを愚直に守り抜いた億ちゃんは、これが単なる精神論ではなく「確かな真実」であると断言しています。
日々、つばめ投資顧問の代表である栫井が発する「売るな、持て」というメッセージを信じ、実践した結果として、実際に5年で資産が2倍になるという具体的な成果がもたらされたのです。
資産を2倍にする買いのタイミングとは?
億ちゃんの投資スタイルを一言で表すなら「忍耐」です。
彼は、平時にはほとんど動かず、市場に「ゲリラ豪雨」のような暴落が来た時だけ資金を投入し、あとはひたすら持ち続けるという戦略を徹底しています。
彼のバイブルとなっているのは、当社の顧問である森さんの著書『株はゲリラ豪雨で買い、平時で儲ける』という教えです。
驚くべきことに、彼はつばめ投資顧問が推奨を出したタイミングですら「まだ早いのではないか」「PERで見てもっと下がるのではないか」と疑い、さらに株価が下がるのを待つほどの慎重さを持っています。
私が買った後にさらに下落した際、「よっしゃ、下がった」と喜んで買い向かうその姿勢は、心のボラティリティを抑え、より有利な価格でエントリーするための彼独自の知恵と言えるでしょう。
もちろん、慎重すぎて買えないリスクもありますが、少なくとも高値掴みで大損する可能性を極限まで減らしているのです。
