地政学リスクやインフレ懸念の高まりで株式相場が乱高下しています。こういう時に焦って売買すると、高値で買って安値で売る「最悪のトレード」になってしまうことも。どうすれば避けられるでしょうか。つばめ投資顧問代表の栫井駿介さんが解説します。
※本記事は4/16につばめ投資顧問にて公開された「高値掴みに狼狽売り…まずい投資タイミングは「行動経済学」で回避!」を編集の上、栫井氏による特別コメントを付して掲載しております。
平常心を保つにはどうすればいいのか【特別コメント】
「相場の浮き沈みに一喜一憂してしまう」
「SNSで『〇〇で儲かった』という話を見ると、自分もチャンスを逃すのではと焦ってしまう」
株式投資をしていると、このように心が大きく揺さぶられる瞬間が必ず訪れます。過度な熱狂やバブルに巻き込まれず、平常心を保つためにはどうすればよいのでしょうか。今回は、溢れる情報に惑わされず、自分だけの「投資の軸」を築き上げるための実践的なアプローチをご紹介します。
なぜ私たちは情報に惑わされてしまうのか?
投資家の心理を惑わす要因に対処するため、行動経済学などを通じて「人間の心の癖」を知ることは非常に有効です。しかし、投資を始めたばかりの方が、知識だけで焦りや恐怖といった感情をコントロールし、誤った行動を完全に避けるのは難しいでしょう。
日々の株価の動きやSNSの情報に心が乱される根本的な原因は、実はあなたの中に「投資の軸」が明確に確立されていないことにあります。自分なりの基準がないからこそ、目に入るすべての情報が気になり、周囲の言葉に振り回されてしまうのです。
ノイズとシグナルを見分ける投資スタンス
世の中に出回る情報の多くは、あなたの投資にとって実はそれほど意味を持ちません。大切なのは、「本質的に意味のある情報」だけを選び取ることです。
例えば、私が実践している長期投資では、「企業の本質的な価値(ビジネスそのものの価値)」に重きを置いています。企業の業績や将来に大きな影響を与える情報であれば注視する必要がありますが、そうではない一時的な株価の動きや話題作りの材料は、すべて「ノイズ(雑音)」にすぎません。「これはノイズだ」「これは価値に影響を与えるシグナルだ」と自分の中で判断できるようになれば、不要な情報に心を乱されることはなくなります。
経験を「投資の軸」に変える「投資日記」
とはいえ、ノイズとシグナルを正確に見分けるには、やはりある程度の経験と技術が求められます。そこでおすすめしたいのが「投資日記」を書くことです。
「どのような売買をしたか」「なぜその取引を行ったのか」「どう成功し、どう失敗したのか」。こうした自分の行動と思考のプロセスを、文章にして明確に記録してみてください。頭の中でぼんやりと考えていることを「言語化」することで、自分が取るべき方法がはっきりと見えてきます。この言語化の作業を繰り返すことで経験が血肉となり、やがて強固な「投資の軸」が策定されるのです。
まずは「お手本」を見つけることから始めよう
もちろん、投資を始めてすぐに確固たる軸のきっかけを見つけるのは難しいかもしれません。言語化しようにも、最初はどんな言葉を使えばよいのか迷うこともあるでしょう。
そんな時は、自分と投資スタンスが近く、信頼できる「お手本となる人」を見つけることから始めてみてください。その人の考え方や言葉の選び方を参考にしながら、少しずつ自分自身の「投資日記」を書き進め、ブレない投資家への第一歩を踏み出しましょう。
