行動経済学の罠その5:過信バイアス(正当化)
知識が豊富で勉強家である投資家ほど陥りやすいのが「過信バイアス」や「確証バイアス」です。
一度「これが正解だ」というストーリーを組み立ててしまうと、それを正当化する情報ばかりを集め、なかなか考えを変えることができなくなります。
特に自らの考えを誰かに発信したり、深く信じ込んだりすると、自分自身の言葉に洗脳されてしまう「セルフ洗脳」の危険性があります。
前提条件は常に変わるものです。イラン情勢にしても、戦争が集結に向かう兆しが見えた瞬間に、原油高のストーリーは一瞬で崩れ去ります。
投資家として成長し続けるためには、自分の考えが正しいという確信に対しても「本当にそうなのか?」「自分は間違っているのではないか?」という疑いの目を常に持ち続けなければなりません。
行動経済学の罠その6:認知的不協和(責任転嫁)
最後に、失敗した時の向き合い方が重要です。
「認知的不協和」とは、自分の過ちを認めたくないために、不快な感情を解消しようと理由をこじつける心理です。
多くの人が、投資で失敗した際に「SNSで誰かがこう言っていたから悪い」「市場が異常なせいだ」と、他人のせいにして自分の心を落ち着かせようとします。
しかし、感情に流されて人を攻撃したり後悔したりしているだけでは、投資の技術は向上しません。
投資が上手い人は、たとえ損失を出しても感情を乱すことなく「何が間違っていたのか」を淡々と分析し、すぐに次のチャンスへと意識を切り替えます。
中には「朝令暮改」と言われるほど、昨日までの考えをあっさりと捨てて損切りを実行する人もいますが、それは常に複数のシナリオを想定し、どれが正しいかを模索し続けているからこそできる柔軟な対応なのです。
「逆」を考える
投資タイミングを劇的に改善させるための考え方は、実は非常にシンプルです。
それは、何か行動を起こそうとした時に「一歩立ち止まって、それとは逆のことを考えてみる」という習慣を身につけることです。
未来は常に確率論で動いています。
一つのストーリーを盲信するのではなく、「Aというシナリオの確率はどれくらいか」「もしBという逆のことが起きたら、どれだけの損失が出るか」という複数の路線を自分の中に描けるかどうかが鍵となります。
上手い投資家は、失敗した時の致命的なダメージを避けつつ、勝率が高い、あるいは勝った時のリターンが大きい方を選んでいます。
自分の考えに対して常に謙虚であり、人間力を鍛え続けること。
迷った時には、AIなどを活用して「今の考えとは逆の視点」を問いかけてみるのも一つの有効なテクニックです。
こうした思考のトレーニングを繰り返していくことが、結果として最悪のタイミングを避け、投資家としての大きな成功に繋がっていくはずです。
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