アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃の影響で原油価格が高騰するという観測が流れ、日経平均株価は一時約14%以上も下落しました。
株価が大きく下落すると多くの投資家が含み損を抱えるため、損切りを検討する方も多くなります。また、損失を取り戻そうとナンピン買いをしたり、ここが大底と見て押し目買いを入れる投資家も出てきます。
暴落時の正しい対応について、つばめ投資顧問代表の栫井駿介さんが解説します。
※本記事は3/12につばめ投資顧問にて公開された「【株式投資初心者必見】暴落時に投資家が取ってはいけない行動とは?」を編集の上、栫井氏による特別コメントを付して掲載しております。
なぜ天井・大底の予測は不可能なのか【特別コメント】
相場や株価の形成は、市場に参加する人々の複雑な心理状態によって構成されています。人間の感情や心理を正確に読み解くことは容易ではありませんし、将来発生する予期せぬニュースや材料によっても市場は大きく動きます。そのため、これら全てを織り込んで「ここが天井だ」「ここが底だ」と予測することは実質的に不可能です。私が知る限り、これを完璧に成し遂げた投資家はいません。まずは「天井と大底を当てよう」という考え自体を、完全に捨て去ることが重要です。
予測ではなく「想定」と「行動計画」に注力する
投資家にとって本当に必要なのは、未来を言い当てることではなく、「天井や大底は誰にもわからない」という前提に立ち、自分自身の行動をどう設計するかです。
ピンポイントでの予測は不可能でも、PER(株価収益率)などのファンダメンタルズ指標を確認すれば、現在の水準が相対的に「割高か」「割安か」といった大まかな現在地を把握することは可能です。その上で、起こり得る複数のシナリオを想定し、あらかじめ準備をしておくべきです。
例えば、相場が割高に見える場合、バブル的にさらに上昇する可能性もあれば、利益確定の売りで下落する可能性もあります。もしそこからさらに上昇が続くなら「できる限りそのトレンドについていく」、逆に下落する場合は「さらに買い増す」といった具合です。 このように、株価の動きを「言い当てる」のではなく、「もしそうなったらどう動くか」を事前に想定しておくことで、実際の相場変動時にも焦ることなく、望む結果に近づけることができます。
長期投資におけるマインドセット
参考までに、私自身は長期投資の戦略において「できる限り売らない」ことを前提としています。株価が上昇すればそのまま恩恵を享受し、下落した場合には「良い銘柄を買い増す」と決めているのです。ここまで方針を固めてしまえば、もはや目先の株価を予想する必要すらありません。
当然、保有している間には資産額の増減を目の当たりにすることになります。しかし、長い目で見れば結局は株価が伸び続けるという前提を信じて投資を行っているため、一時的な暴落に対して何も恐れることはないのです。
