投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、楽天証券のデータをもとに解説。

楽天証券の投信売れ筋ランキングの2026年4月のトップ2は前月と同じでトップに「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、第2位に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。第3位には前月第4位だった「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」が、第4位に前月第5位だった「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」が上がった。前月第3位だった「楽天日本株4.3倍ブル」は第5位に後退した。また、第6位には前月第7位だった「iFreeNEXT FANG+インデックス」が上がり、前月第10位だった「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」が第8位になった。トップ10圏外から「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」が第9位にランクインした。

 

※楽天証券サイト「投資信託」「全銘柄ランキング(買付金額)」に基づいて編集部作成。期間:2026年4月1日~4月30日。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/find/ranking/ranking.html?term=m&target=all&age=all&x=69&y=17&type=500001&freqid=3&tget=1&group=all

「日本株」は逆張り、「米国株」は順張り!?

楽天証券の2026年4月の売れ筋ランキングでは、3月まで人気が上昇していた「日本株ファンド」が後退し、1月まで人気があった「米国株ファンド」の人気が復活した。2月末に米国とイスラエルの連合軍がイランを突然空爆したことに始まった中東紛争は、原油や天然ガスの流通の要衝であるホルムズ海峡をイラン軍が事実上封鎖するに至って膠着状態に陥るとともに、世界経済に大きな影響を与える原油価格の行方を左右するようになった。2月末時点では1バレルあたり67ドル台だったNY原油先物価格は4月末時点では105ドル台にまで上昇した。原油価格の上昇は、物価上昇に直結するため、世界各国は金融引き締め(金利の上昇)を意識した金融政策姿勢で身構えることになっている。この状況は、株式市場にとっては逆風だ。

ただ、4月の株式市場は身構えつつも日米市場を中心に堅調だった。三菱UFJアセットマネジメントが設定する「オルカン」は1カ月間で11.56%上昇(前月はマイナス6.85%)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は12.91%上昇した(同マイナス5.68%)。大和アセットマネジメントが設定する「iFreeNEXT FANG+インデックス」は22.86%上昇(同マイナス5.91%)、4月にトップ10圏外からランクインした楽天投信投資顧問が設定する「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」の18.83%上昇(同マイナス5.86%)など米国株が大きく上昇した。一方、国内株も三菱UFJアセットの「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」は6.57%上昇(同マイナス10.35%)、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」は8.19%上昇(同マイナス12.66%)と反発している。

株式市場の動きは3月の下落から4月の反発という同じような動きだったが、売れ筋ランキングの変動は対照的だった。日本株ファンドは株価下落時に人気が高まる「逆張り」発想の動きだったが、米国株ファンドは株価が上昇するほどに人気化する「順張り」の動きだった。極端な事例では、楽天投信投資顧問が設定する「楽天日本株4.3倍ブル」は3月にはマイナス50.41%と大きく下落したが、売れ筋ランキングでは第3位にまで上昇した。ところが、4月は81.05%高と大幅な上昇を記録しながらも第5位に2ランクダウンしている。下落時には反発を見越した「押し目買い」が積み上がったものの、価格が上昇に転じると「押し目買い」の意欲が減退するとともに、「利益確定」の売り(解約)も増えたためと考えられる。

一方、アクティブファンドは、朝日ライフアセットマネジメントが設定する「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」は12.45%上昇(前月はマイナス10.94%)。また、4月はトップ10から落ちたインベスコ・アセット・マネジメントの「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のベスト)」は11.09%上昇(同マイナス7.25%)だった。価格変動率が大きい「WCM 世界成長株厳選ファンド」の方が人気を保ちやすいという傾向がある。

執筆/ライター・記者 徳永 浩