投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、中国銀行。

中国銀行の投信売れ筋ランキング(窓口販売件数)の2026年3月のトップは前月第3位から「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)が上がった。第2位は前月と同様に「WCM世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」となり、第3位には前月第7位から「ちゅうぎん日経225インデックスファンド」が上がった。前月はトップだった「ROBOPROファンド」は第5位に後退した。トップ10圏外から「せとうち応援株式ファンド」(愛称:せとうちサポーター)が第10位にランクインした。

※中国銀行の投資信託販売ランキングの「窓口販売」(2026年3月)に基づいて編集部作成。
https://www.chugin.co.jp/single/account/toushin_ranking/

下落率が小さな「ROBOPRO」がランクダウン

中国銀行の売れ筋で2025年12月以来のトップに返り咲いたインベスコ・アセット・マネジメントの「世界のベスト」は、世界の株式市場(新興国を除く)から、「成長」「配当」「割安」の3つの観点で銘柄を厳選して投資するファンドだ。中東情勢の緊迫化を受けて世界の株式市場が下落する中にあって、株価が下落することによってより投資魅力の増した銘柄を組み入れる期待が高まるファンドといえる。同ファンドの3月の月報でも「ボトムアップ・アプローチで割安に放置されている優良企業を発掘できる良い機会である」と3月の下落局面を捉えている。

一方、1月、2月とトップにあったSBI岡三アセットマネジメントの「ROBOPROファンド」は第5位にまで後退した。同ファンドは国内外の株式、債券、そして、不動産、金(ゴールド)などさまざまな資産に分散投資するファンドだ。3月は株式だけでなく、債券も不動産もゴールドも下落するという展開だったために分散投資による下落率抑制の効果は小さかったが、株式よりも債券の下落率が小さかったこともあって、株式ファンド(例えば、「世界のベスト」の下落率は7.25%)と比較すると「ROBOPROファンド」の下落率(4.38%)は小さくなった。

ただ、戦争という突発的な出来事では、大きく下落する資産の方に「押し目買い」の意欲は強くでるようだ。下落率が小さかった「ROBOPROファンド」より、「世界のベスト」の方がランクを上げ、また、「世界のベスト」より一段と大きな下落率(12.51%)の「ちゅうぎん日経225インデックスファンド」(中銀アセットマネジメント)も大きくランクアップした。

ランクインした「せとうち応援株式ファンド」

3月の下落局面で国内株ファンドが「押し目買い」で人気化する中で、中国銀行の『ご当地ファンド』といえる「せとうち応援株式ファンド」(愛称:せとうちサポーター)(中銀アセットマネジメント)が第10位にランクインした。同ファンドは、中国銀行が営業基盤とする岡山県、広島県、香川県という瀬戸内3県に本社等が所在する、または、進出している企業を投資対象とした「瀬戸内3県株式マザーファンド」と「先進国株式ESGリーダーズインデックスファンド」を各50%保有するファンドだ。内外の株式に分散投資するファンドながら、国内株式については地元の企業というわかりやすい投資対象になっている。

内外の株式ファンドは、2024年までは圧倒的に海外の株式ファンドの運用成績が優位だったが、2025年以降は国内の株式の上昇率が海外株を上回るようになった。「せとうち応援株式ファンド」は内外に各50%を投資しているため、2026年3月末時点で過去1年のリターンは34.3%、過去3年で85.5%という成績になっている。「ちゅうぎん日経225インデックスファンド」が過去1年で44.92%、過去3年で88.50%、また、「世界のベスト」は過去1年で15.39%、3年で71.40%であるため、内外半々に投資している「せとうち応援株式ファンド」は過去3年で好調な成績になっている国内株に匹敵し、かつ、海外株を上回るという比較的良好な成績を残してきた。地元の企業を応援するファンドの成績が好調なことは、投信の活用を促すうえでは良い材料になっていると考えられる。

執筆/ライター・記者 徳永 浩