投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、三菱UFJ銀行。

三菱UFJ銀行の販売額(1カ月)ランキング2026年3月のトップは前月同様に「eMAXIS 日経225インデックス」だった。第2位には前月第4位だった「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が上がり、前月第2位だった「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」は第3位に後退。そして、前月は第3位だった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)は第5位に後退し、前月は第5位だった「三菱UFJインデックス225オープン」が第4位に上がった。また、トップ10圏外から「ダイヤセレクト日本株オープン」が第8位にランクインし、前月第6位だった「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は第10位にまで下がった。

 

※三菱UFJ銀行のサイト内の投資信託検索サイト、「ファンドランキングから探す」の「販売額:1カ月」に基づき編集部作成。期間は2026年3月。
https://fs.bk.mufg.jp/webasp/mufg/fund/ranking/hanbaigaku_1m.html

「日経225」「オルカン」「S&P500」の関係は?

三菱UFJ銀行の販売額(1カ月)ランキングでトップの三菱UFJアセットマネジメントが設定する「eMAXIS 日経225インデックス」は、2026年3月の1カ月間で基準価額が12.68%下落した。それでも、3月末時点の1年間のトータルリターンは45.24%に達している。同期間に三菱UFJアセットが設定する「オルカン」は1カ月間で6.85%下落し、1年で25.79%という成績だった。1カ月の下落率は「オルカン」よりも大きかった「日経225」だが、「押し目買い」で将来に期待が持てると考えられたのだろう。

ランキングでは第10位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は3月の下落率が5.68%と「オルカン」より小さかった。もっとも、3月末時点で過去1年間の基準価額の騰落率は22.80%と「オルカン」よりも低く、「日経225」の半分にも足りない水準だ。

「日経225」「オルカン」「S&P500」の関係を振り返ると、2024年まではパフォーマンスでは「S&P500」が圧倒していた。「AIブーム」で最も恩恵を受けると考えられたのがエヌビディアをはじめとした米国大手テクノロジー企業であったことから、AI関連株の採用比率が高い「S&P500」が大きく上昇した。ただ、その株価上昇のスピードの速さによって、米ハイテク大型株は2023年頃から「行き過ぎ」、「割高」の指摘があった。結果的に株価は2025年まで最高値を更新し続けたものの「割高」という警戒感が解かれることはなかった。「オルカン」は米国株の比率が65%前後を占めるため、その値動きは米国株に連動する傾向が強い。

これに対して「日経225」は割安感の目立つ市場といわれてきた。2024年~2026年の間で日本は実質的にデフレを脱却したといわれるが、足元までデフレといわれるような状況にあった国の株価が「割高」といわれるほどに上昇することはなかった。過去1年程度の日本株の上昇は、それまで「割安」にあったことの反動といえる。さらに、2023年3月に東証が上場企業に対して「資本コストや株価を意識した経営の実現」を求め、「PBR1倍割れ企業に対して改善策の開示を求める」という要請を行ったことをきっかけに、上場企業の株価を意識した株主還元などの姿勢が一気に高まった。これは、投資対象としての日本株の価値向上に直結する動きで、「割安」とみなされた日本株が、その価値を高めたことで一段と株価上昇の余地が生まれた。